●「新たな階級を生み出した」
東ゼン労組側は1月29日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、東京地裁の判断を批判した。
裁判のきっかけとなったALTの一人、アメリカ出身のメアリー・ハンソン・ダガティさんは、20年にわたり都立高校などで英語教育に携わってきた。判決について、次のように語った。
「会計年度任用職員制度により、私は日本社会での居場所を失いました。
この制度の目的は、法的な地位を持たない新たな階級をつくることです。これがワーキングプアを生み出しています。社会正義にも憲法にも反していると思います」
同じくアメリカ出身で、7年間、ALTとして働いてきたアンソニー・ドーランさんも、こう述べた。
「今日の判決は非常に残念ですが、失望していません。非常勤公務員の公正と正義のための第一歩に過ぎません。非常勤公務員の組合の権利が復活するまで、戦います」
●「法治国家としてありえるのか」
今回の判決では、昭和40年代や50年代の判例を踏まえて下された。この点について、原告代理人の山田省三弁護士は、次のように批判する。
「当時は非正規公務員がほとんど存在しない時代です。従来の正規雇用職員の理屈で判断したことが、この判決の問題点だと思います。
今は公務員のあり方が変わっています。公務員が安定しているというイメージは、いわゆる正規職員のものであり、非正規公務員は劣悪な状況に置かれています。
こうした中で、団体交渉をする必要があるにもかかわらず、それを与えないのは法治国家としてありえるのか。今回、初めて非正規職員の労働基本権が争われたことは、非常に意味を持っています」
また、指宿昭一弁護士も、この裁判の意義についてこう語った。
「地位も不安定で、労働状況も悪い人たちの権利をどうやって守っていくのかということに関わる大事な事件だと考えています」
原告側は控訴する方針だ。

