初期胃潰瘍の受診サインと病院での対応

どのような症状が現れたら病院に行くべきですか?
胃の不調が続くときは、痛みの強さだけでなく、症状の続き方や変化を目安に受診を考えます。みぞおちの痛みや胃もたれ、吐き気などが数日続いている場合や、日を追うごとに不快感が強まっている場合には、医療機関で相談することがすすめられます。また、食欲が落ちてきた、体重が減ってきたと感じる場合も、受診を検討しましょう。
一方で、吐血や黒色便がみられる場合、ふらつきや動悸、息切れなど貧血を思わせる症状が出ているときには、早めに医療機関を受診することが大切です。これらの変化は、胃のなかで出血が起きている可能性を示すサインとして考えられます。
胃潰瘍が疑われるときは病院でどのような検査を行いますか?
胃潰瘍が疑われる場合、病院ではまず症状やこれまでの経過について詳しく確認します。そのうえで、胃の状態を直接確認できる検査として、胃カメラによる内視鏡検査が行われます。この検査は、胃の粘膜に傷やただれがあるか、出血の有無、潰瘍の深さなどを確認できます。内視鏡検査は、必要に応じて組織を一部採取し、詳しく調べることもあります。これは、胃潰瘍と似た見た目の胃がんではないことを確認する目的で行われます。また、あわせてピロリ菌の感染が関係していないかを調べる場合もあります。これらの結果をもとに、治療の進め方が決められます。
胃カメラ以外の検査方法はありますか?
胃カメラ以外の検査として、血液検査が行われることがあります。血液検査は、胃からの出血が続いていないかを確認する目的で、貧血の有無などを調べます。また、症状が強い場合や、痛みの原因が胃以外にある可能性を考える必要がある場合には、腹部のCT検査が行われることもあります。これは、胃潰瘍そのものを診断する目的というより、胆のうや膵臓などほかの臓器の異常、重い合併症がないかを確認するためです。これらの検査は、症状や体調に応じて選択され、胃カメラによる評価を補助する役割として用いられます。
初期の胃潰瘍の治療法を教えてください
初期の胃潰瘍は、胃酸の分泌を抑える薬を用いた治療が中心です。胃の粘膜を保護し、傷の回復を助けることで、症状の改善を目指します。また、ピロリ菌が関与している場合には、除菌治療が検討されます。治療とあわせて、胃に負担をかけにくい食事や生活の工夫も重要です。医師の指示に従い、薬を継続しながら経過をみることで、多くの場合は改善が期待できます。
編集部まとめ

胃潰瘍は、みぞおちの痛みや胃もたれといった症状で始まることがありますが、初期の段階でははっきりした自覚症状が出ない場合もあります。そのため、胃炎や逆流性食道炎など、症状が似ているほかの病気と区別がつきにくく、気付かないうちに進行することもあります。症状が軽くても、同じような不調が続く場合や、痛みの出方が変わってきた場合には、胃潰瘍の可能性を考えることが必要です。
また、吐血や黒色便、ふらつきなどの症状がみられる場合には、胃のなかで出血が起きている可能性があります。このような変化があるときは、早めに医療機関を受診し、検査を受けることが大切です。病院では胃カメラを中心とした検査が行われ、原因や状態に応じた治療が進められます。胃の不調を我慢せず、症状や経過を目安に受診を考えることが、胃潰瘍の早期発見と回復につながります。
参考文献
『消化性潰瘍診療ガイドライン 2020(改訂第3版)』(日本消化器病学会)
『消化性潰瘍』(厚生労働省)
『消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)』(全国健康保険協会)
『胃潰瘍・十二指腸潰瘍』(臨床検査医学会)
『Peptic ulcer』(Mayo Clinic)
