
長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『骨までしゃぶらせて アナタだけあるある飯店』(ABCテレビ)をチョイス。
■未知の感覚との遭遇『骨までしゃぶらせて アナタだけあるある飯店』
「自分だけかもしれないあるある」をテーマとしたトーク・バラエティ、『骨までしゃぶらせて アナタだけあるある飯店』。1月12日(月)より始まった新番組で、既に3週放送済み(すべてTVerで配信中)だが、今回は初回放送について話をさせていただきたい。
初回放送の出演者は、レギュラーである永野、ニューヨーク・屋敷裕政、ツートライブ・周平魂の3人に加え、ゲストとして相席スタート・山添寛、ななまがり・森下直人、しずる・純が登場。この6人が、「これ僕だけかもしれないんですけど……」と自分だけのあるあるトークを繰り出していく。
私は感覚の話が大好きなんで、めちゃくちゃ面白かった。最も興味深かったのは、ななまがり森下の「28と31の差は2っぽい」という感覚。番組内でも全員が首をかしげていたが、私もまったく共感できず、それどころか、28と31の差は、よそと比べてもより3であるようにすら感じられる。こういった感覚の話というのは飲みの席なんかで私もよくやるものだが、たいていは「あ、なんとなく分かるかも!」って人が現れるわけで、こういったほんとうに理解できない、未知の感覚に遭遇すると嬉しくなる。これだけでも、番組を見る価値があると言えるだろう。
さて、これは自分だけなのかもしれないのだけど、あるあるをひとつ。私は頭の中でラーメンが食べられない。箸で麺をつかんで持ち上げると、持ち手のほうに麺が滑っていってしまうのだ。頭の中で何度挑戦しても、麺を口に運ぶことができない。箸にストッパーを巻き、麺が滑らないようにすれば食べられる。だから、私の“自分だけのあるある”は、「頭の中でラーメンが食べたいとき、箸に輪ゴムを巻く」というものなのだけど、これは共感してくれる人がいるはずだ。ラーメンに限らず、「頭の中で階段を下れない」人や、「頭の中でピンポンができない」人の話は実際に聞いたことがある。人は脳内でなら何でもできると思っていたのだが、ラーメンすらロクに食えないのだから参った。脳内ですら全能を味わえないなんて、こんなにつまらない話はない。
■文/城戸

