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「脳出血の治療法」はご存知ですか?集中治療室に入る期間も医師が徹底解説!

「脳出血の治療法」はご存知ですか?集中治療室に入る期間も医師が徹底解説!

脳出血の急性期における治療法

脳出血の急性期(発症から数日以内)は、特に容態が不安定な時期であり、素早く適切な治療がとても重要になります。急性期における治療は、主に以下の3つの側面から行われます。

救命と全身管理

救急外来を受診した後、多くの場合、脳神経外科のある総合病院や高度救命救急センターに入院して治療を受けることになります。
頭部画像検査では、CT検査で出血の有無、場所、大きさなどを確認します。MRI検査はCT検査よりも詳しく脳の状態を評価できますが、CT検査に比べて時間がかかるため、状態が安定している場合に検査を行うことがあります。
また、血液検査や心電図検査、胸部レントゲンを確認し、脳出血以外の問題が起きていないかを確認します。
脳出血の原因として脳の血管に異常がある場合には、脳血管撮影検査(カテーテル検査:細い管を血管に入れて造影剤を注入し、血管の状態を詳しく調べる検査)を行うこともあります。
急性期の治療では特に、意識レベルの評価、気道の確保と呼吸管理(酸素投与)、循環管理(血圧や心拍数などの管理)、体温管理、血糖管理、電解質バランスの管理などを慎重に行います。

出血の拡大防止と脳圧コントロール

頭部画像検査は、入院中何度も行い、脳出血が広がっていないかや脳の腫れ具合を確認します。
脳は硬い頭蓋骨で守られていますが、脳の中に出血した血の塊があると、脳の中がいっぱいになってしまいます。この状態を脳圧が高いと表現しますが、重症の脳出血では脳圧が高くなるため、脳圧をコントロールすることが重要になります。頭蓋骨の中に直接センサーを入れて、脳の圧力を継続的に測定・管理することもあります。
脳の腫れが見られる場合には、脳の腫れを軽くするための薬も使って治療を行います。
また、出血が広がるのを防ぐためには、血圧を厳しく管理することが重要です。降圧薬(血圧を下げる薬)を使って目標の血圧まで慎重に血圧をコントロールします。
脳圧が高い場合や、出血が多い場合で、薬を使ってもコントロールできない場合には、脳の正常な組織もダメージを受けてしまい、命に関わることもあります。そのため、頭蓋骨の一部を外して脳の圧力を下げる手術(外減圧術)が行われることがあります。

合併症の予防と早期リハビリテーション

血液検査や胸部レントゲン検査を定期的に行い、感染症の兆候がないかを確認します。 脳出血によってベッドの上で安静にしている状態が続く場合や、麻痺がある場合には深部静脈血栓症(足の血管に血の塊ができる病気)を起こすことがあるため、必要に応じて下肢エコー検査(足の血管を調べる超音波検査)などを行うことがあります。 状態が安定すれば、できるだけ早くリハビリテーションを開始し、脳出血によって起こった麻痺や言葉の障害などの後遺症を軽くすることを目指します。 また、食事管理も重要で、口から食事が摂れない状態であれば、静脈栄養(点滴で栄養を入れる方法)や経鼻胃管による栄養投与(鼻からチューブを通して胃に栄養を送る方法)を行って栄養不足を防ぎます。

脳出血を発症すると集中治療室にはどれくらい入る?

脳出血を発症した場合、多くの方が脳卒中集中治療室(SCU; Stroke Care Unit)に入室し、集中的な治療と状態の観察を受けます。SCUがない病院では、集中治療室(ICU; Intensive Care Unit)や高度治療室(HCU; High Care Unit)での治療となるかもしれませんが、治療内容に大きな違いはないと考えられます。 これらの集中治療室に入室する期間は、出血の程度や患者さんの意識状態、全身状態、合併症の有無などによって大きく異なりますが、一般的には数日から数週間程度となることが多いです。

集中治療室では、以下のような治療とモニタリングが行われます。

・24時間体制の監視:意識レベル、心拍数、血圧、呼吸状態、酸素飽和度、体温などを常に監視する
・呼吸管理:必要に応じて人工呼吸器を装着し、呼吸をサポートする
・循環管理:血管作動薬などを用いて血圧を安定させる
・脳圧管理:頭蓋内圧モニターを用いて脳の圧力を監視し、必要に応じて脳圧を下げるための治療を行う
・薬物療法:脳浮腫軽減薬、降圧薬、鎮静薬、抗けいれん薬など、患者さんの状態に合わせた薬剤を投与する
・栄養管理:静脈栄養や経鼻胃管による栄養投与を行う
・合併症の予防と早期発見:感染症や血栓症などの合併症を早期に発見し、適切な治療を行う
・リハビリテーションの開始:状態が安定すれば、早期からリハビリテーションを開始し、後遺症の軽減を目指す

集中治療室での治療は、患者さんの命を守り、後遺症を最小限に抑えるためにとても重要な役割を果たします。

配信元: Medical DOC

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