フュージョン薬膳とは?
「薬膳」と聞くと、特別な生薬を使ったり、苦かったり…とハードルが高く感じるかもしれません。しかし今トレンドの「フュージョン薬膳」は違います。中医学に基づく薬膳の考え方をベースにしながら、和食やイタリアン、フレンチなど、私たちが普段から慣れ親しんでいる料理と融合させた新しい食のスタイルです。例えば、
・ いつものスープに生姜やネギをたっぷり入れる(和)
・ ホットワインにシナモンなどのスパイスを効かせる(洋)
これらも立派な「フュージョン薬膳」です。見た目はいつもの料理でも、体をいたわる要素が詰まっており、「病気を治す」だけでなく、「毎日の食事で、さりげなく体を整える」。そんな手軽さが、忙しい現代人のライフスタイルにフィットしています。
今、注目される理由
2025年春には薬膳がテーマの漫画を原作にしたNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が放映されてヒットし、続編放送も決定(12月より再放送中)。住人や薬膳料理との出会いを通じて心と体を整え、自分らしい生き方を見つけていく姿に共感が集まりました。
ドラマのヒットを受けて、書店では薬膳本コーナーが設けられるほどの薬膳本ブームが到来。薬膳本ブームの火付け役となった薬剤師・国際中医師の川手鮎子氏の著書『心も体ももっと、ととのう薬膳の食卓365日』 (自由国民社)は、累計発行部数15万部を突破し、「第12回料理レシピ本大賞in Japan 2025」の料理部門で入賞を受賞するなど、薬膳への関心が着実に高まっています。
クックパッドの検索データ分析ツール「たべみる」でも、「薬膳」の検索数は前年比132%と急上昇。 薬膳は本来、病気を防ぐための食養生と、体の不調を整える食療の両方を担うものですが、最近では「美肌」「むくみ」「腸活」などのキーワードと共に検索される傾向が見られ、健康維持や美容のために取り入れる人が増えています。
難しい生薬を使わず、スーパーで手に入る食材を使って続けられることも人気の理由。黒ごまはアンチエイジングに、長いもは疲労回復や美容に、人参は目や胃腸のケアに、生姜は冷え対策に、白菜はむくみや便秘におすすめの食材です。クコの実を散らしたカプレーゼ、生姜たっぷりの和風パスタ、黒きくらげの炊き込みご飯など。外食でも家庭料理でも薬膳の知恵を手軽に取り入れることができ、おいしく食べて内側から整える、薬膳の新時代を迎えています。

