大腸がんは数年かけて進行することが多く、早期に見つければ治療成績も良好です。そのために大切なのは、大腸カメラでの定期的なチェック。大腸がんの進行スピードや大腸カメラ検査の重要性について、牛腸内科クリニックの牛腸先生に詳しく教えてもらいました。
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監修医師:
牛腸 俊彦(牛腸内科クリニック)
昭和医科大学医学部卒業。その後、昭和医科大学横浜市北部病院、富士吉田市立病院、昭和医科大学消化器内科などで経験を積む。2024年、神奈川県藤沢市に位置する「牛腸内科クリニック(旧・牛腸内科医院)」の院長に就任。医学博士。日本消化管学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本内科学会認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、神奈川県難病指定医。
大腸がんの進行スピードは?
編集部
大腸がんはどのくらいのスピードで進行するのですか?
牛腸先生
大腸がんは一般的に「ゆっくり進行するがん」といわれています。正常な粘膜からポリープ(腺腫)ができ、それががん化して進行がんになるまでには5〜10年ほどかかると考えられています。このため定期的に検査を受けることで、早期発見・早期治療が十分に期待できます。
編集部
早期と進行期ではどんな違いがあるのですか?
牛腸先生
早期がんは腸の粘膜の表面にとどまっている状態で、転移の可能性は低くなります。一方、進行がんは粘膜の深い層やリンパ節、他臓器へと広がっていきます。進行すると治療の難易度が高まり、治療期間や再発リスクも増します。
編集部
進行の速度は人によって違うのですか?
牛腸先生
生活習慣や遺伝的要因により、進行が速いタイプもあります。特に家族に大腸がんの既往がある人、炎症性腸疾患を持つ人、肥満の人、喫煙・過度な飲酒の習慣がある人は注意が必要です。
編集部
自覚症状で早期に気づくことはできますか?
牛腸先生
早期の大腸がんはほとんど症状がありません。進行すると血便が出たり、便秘と下痢を繰り返したりするほか、体重減少などが現れます。ただし、症状が出てからでは進行していることが多いため、無症状の段階で検査を受けることが重要になります。
どうやったら早期発見できる?
編集部
大腸がんを早期に見つけるためには何が大切ですか?
牛腸先生
最も重要なのは、定期的に大腸がん検診を受けることです。特に40歳以上では年1回の便潜血検査が推奨されています。便にわずかな血液が混ざっているだけでも、早期がんやポリープのサインであることがあります。
編集部
便潜血検査だけで十分なのでしょうか?
牛腸先生
いいえ、残念ながら便潜血検査は手軽ですが、100%確実というわけではありません。陰性でもがんがある場合もあるのです。そのため、便潜血検査はあくまでもスクリーニングという位置付けであり、早期発見には大腸カメラ(大腸内視鏡)が推奨されます。
編集部
大腸カメラはどのような検査ですか?
牛腸先生
肛門からスコープを挿入し、腸の内部を直接観察する検査です。小さなポリープや初期のがんも発見でき、その場で切除できる場合もあります。そのほか、ポリープやがんだけでなく、炎症性腸疾患なども見つけることができます。「検査を受けるのがつらい」というイメージを持つ人もいると思いますが、鎮静剤を使用すれば痛みや不快感を最小限に抑えることができます。
編集部
どのくらいの頻度で検査を受ければいいですか?
牛腸先生
40歳以上の人は少なくとも5年に1回、大腸カメラを受けるのが目安です。ポリープが見つかった人や家族に大腸がんの既往がある人は、医師の指示に従い、より短い間隔での検査が推奨されます。

