夫がおもてなしにこだわる理由
お店でお客さんとして座っているだけでは、夫の「やりたいこと」は満たされないのです。
夫が求めているのは、単なる食事会ではなく、「自らキッチンに立ち、豪快に腕をふるう俺」という演出なのかもしれません。
トイレやお風呂の順番、寝床の確保といった裏方の苦労は私の担当。
夫の頭の中にあるのは、「すごい! おいしい!」とみんなに喜んでもらう、最高のホストとしての自分の姿だけ……。
毎日義務として淡々と料理を作っている私からすると、「料理=エンタメ」として楽しめる夫の無邪気さが、少しだけ羨ましくもあり、呆れてしまう部分でもありました。
でも、そんな「おもてなしの心」自体は、彼の良いところでもあるんですよね。
暴走を止めたのは……?
気を揉んでいた数日後、夫が残念そうに言いました。
「あいつら、やっぱり来ないって。せっかくだからって都内で遊んでホテルとるらしい」
ホッとしたのが正直なところです。
きっと相手の奥様が、気疲れや利便性を考えて冷静な判断をしたのでしょう。
盛り上がる男性陣に、日々の大変さを知る奥様の現実的な視点がストップをかけた形となりました。
喉元まで出かかった「ほらね!」を飲み込み、「そっか、残念だったね」とだけ返しました。
泊まらせたい夫と、泊まりは拒否したい私。
夫の溢れんばかりのおもてなし精神に、いつもハラハラする私ですが、今回の件で「外の視点」が入ることの重要さを再確認しました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

