匿名チャットアプリを通じて知り合った女性に対し、ネットカフェの個室内で同意のないわいせつ行為をしたとして、男性が不同意わいせつ罪に問われた事件。
東京地裁は1月26日、被告人の男性に懲役2年、執行猶予4年(求刑:懲役3年)の有罪判決を言い渡した。
直接の証拠や目撃証言はなかったが、裁判所は被害者の証言を「信用できる」と判断し、被告人の主張を退けた。髪が長く、眼鏡をかけた被告人は、黙って判決を聞いていた。(ライター・渋井哲也)
●アプリで知り合い→ファミレスで初対面
判決などによると、被告人は2024年11月ごろ、匿名チャットアプリ「GRAVITY」で被害女性と知り合い、メッセージ機能でやり取りを続けていた。
「優しそうなので友だちになれると思った」。被告人が誘い出し、2人は2025年1月、都内で初めて会った。
女性は、プロフィール写真が長髪だったことや、一人称が「私」だったことから「被告人は女性だ」と誤認していた。しかし、実際に会って男性であることがわかり、「驚いた」という。
ただ、「遠方から来てくれた被告人を帰すのは申し訳ない」と考え、そのまま会話を続けたと証言した。
被告人は「筋トレや総合格闘技などの投稿が多かった」として、相手が男性であることはわかるはずだと主張したが、判決はこの点について「髪が長いので不自然ではない」とした。
●性体験の話題と「同意」めぐる食い違い
弁護側によると、2人はファミリーレストランで食事をしながら、性体験に関する話題になったという。女性が自身の話をしたのに続き、被告人は過去の性経験や「足を触ることへのこだわり」を語ったとされる。
被告人は、女性がその話題に興味を示したと感じ、「そうしたエッチな体験をしませんか?」と持ちかけたところ、女性が「いいですよ」と同意したと供述した。
しかし、判決はこの点について「被告人の証言は信用できない」と明確に否定した。
被告人質問では、次のような応酬があった。
被告人:女性は、男性との性体験がないことを話したので、自分も過去の性経験を話した。女性は、趣味の話のときよりテンションが高かった。興味があるのかと思い、以前の恋人との性体験や足のことも伝えました。
「すごいですね」と言われたので、「そうしたエッチなことを体験してみませんか」と誘った。女性は「いいですよ」と応えた。
弁護人:なぜそんな質問を?
被告人:興味があるかなと思って、冗談で話した。断ると思っていた。同意したのは想定外。
裁判官は「このとき、性交のことも考えましたか?」と質問。被告人は「性交とはなんですか?」と聞き返し、裁判官が「セックスのことです」と説明すると、「考えていません。被害女性とのセックスには興味がない」と答えた。

