「知人と酒を飲むため」未就学の娘を11時間以上置き去りで逮捕、子どもは何歳から一人で留守番させられる?

「知人と酒を飲むため」未就学の娘を11時間以上置き去りで逮捕、子どもは何歳から一人で留守番させられる?

●高温の車内に放置する行為も該当

──保護責任者遺棄罪が成立する条件や、よくあるケースにはどのようなものがありますか。

保護責任者遺棄罪は、老年者や幼年者、身体障害者などに対して保護責任を負う者が、生存に必要な保護を怠った場合に成立します。

先ほど述べたように、この罪は、子どもに危険が生じていなくても、置き去りや不保護といった行為そのものによって成立しうる点が特徴です。

法定刑は、保護責任者遺棄罪の場合でも「3カ月以上5年以下の拘禁刑」(刑法218条)、死亡やケガの結果が生じた場合は、より重い「保護責任者遺棄致死傷罪」として処断されます(刑法219条)。

実際に、親が子どもを自宅に置き去りにして外出したものの、子どもに実害はなかった事件で、懲役2年、執行猶予3年とした裁判例もあります(神戸地裁令和2年4月17日判決)。   そのほか、高温の車内に子どもを置き去りにして死亡させたケースや、自宅に残したまま食事を与えず栄養失調や餓死に至らせたケース、同居していながら育児放棄を続けたケースなども、保護責任者遺棄罪が問題となる典型例です。

【取材協力弁護士】
澤井 康生(さわい・やすお)弁護士
警察官僚出身で警視庁刑事としての経験も有する。ファイナンスMBAを取得し、企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も歴任、公認不正検査士試験や金融コンプライアンスオフィサー1級試験にも合格、企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他各新聞での有識者コメント、テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。陸上自衛隊予備自衛官(2等陸佐、中佐相当官)の資格も有する。現在、早稲田大学法学研究科博士後期課程在学中(刑事法専攻)。朝日新聞社ウェブサイトtelling「HELP ME 弁護士センセイ」連載。楽天証券ウェブサイト「トウシル」連載。毎月ラジオNIKKEIにもゲスト出演中。新宿区西早稲田の秋法律事務所のパートナー弁護士。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など。
事務所名:秋法律事務所
事務所URL:https://www.bengo4.com/tokyo/a_13104/l_127519/

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