高額シャンパンを開けるなら、付き合う──。
キャバクラのキャスト(キャバ嬢)の言葉を信じてシャンパンを注文し、数十万円を支払ったという男性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられています。
相談者は身体の関係を迫ったところ、女性にほのめかされて高額なシャンパンをオーダーしたそうです。
しかし、その後「約束」は果たされず、怒った相談者は店に返金を求めたところ、「枕営業を強要した客として出禁にする」と告げられたといいます。
相談者は、事前にLINEで「約束を守らなければ費用はキャストが支払う」と合意していたと主張していますが、店側は「当事者同士で解決してほしい」として、対応しなかったとのことです。
身体の関係を前提とした約束や、高額な飲食代の支払いは、法的にどのように評価されるのでしょうか。また、返金を求めることはできるのでしょうか。ナイトビジネスにくわしい若林翔弁護士に聞きました。
●「身体の関係」を迫ったら公序良俗に反する?
──今回の相談では、相談者自身が「身体の関係」を前提に、高額なシャンパン代を支払っています。このような行為には、どのような法的な問題がありますか。
高額なシャンパンという対価と引き換えに「身体の関係」を前提とする場合、売買春に類似するものとして、公序良俗に反するものと判断される可能性はあると思います。
一方で、キャバクラでは、いわゆる枕営業をめぐる駆け引きが、疑似恋愛の一環としておこなわれることもあります。
両者の関係性や、やり取りの具体的な内容次第では、単なる疑似恋愛の範囲にとどまり、公序良俗に反して無効とまではいえないと判断されるケースもあり得ます。
●「不法原因給付」になり返金請求できない可能性
──仮に公序良俗違反と評価された場合、支払った数十万円について、返金請求はできないと考えるべきでしょうか。
民法708条では、違法な行為や公序良俗に反する行為を目的として支払った金銭や交付した物については、原則として「返してほしい」と請求することができないと定められています。これを「不法原因給付」といいます。
そのため、今回のケースが公序良俗違反と評価された場合、不法原因給付にあたり、返還請求が認められない可能性はあると考えられます。

