気づいてしまった、本当の理由
ある日、私は思い切って言ってみた。
「ねえ、今度さ……里奈さんのおうちにも、遊びに行ってみたいな」
一瞬、空気が止まった。里奈さんは目を瞬かせ、少しだけ視線を逸らす。
「え?あー……うち、ちょっと散らかってるし……」
「全然気にしないよ」と続けようとした私の言葉を遮るように、里奈さんは笑った。
「ちょっと考えてみるね」
その声は、やけに軽かった。
そして、それきりだった。
次の日も、その次の日も、その話題が出ることはなかった。
ああやっぱり、里奈さんは私に会いたいんじゃなくて、私の家で過ごしたいだけなんだ。
それに気づいた途端、これまで曖昧だった違和感が一気にふくらむ。
私は聞き役でも、便利な場所でもない。
対等な関係だと思っていたのは、私だけだったのかな。
―――もうわが家には誘いたくない。
そんな気持ちがはっきりと心の中に浮かんでいた。
あとがき:対等じゃない関係に、名前がついた日
「ママ友だから」「波風を立てたくないから」と我慢してしまう関係は、少なくありません。けれど、どちらか一方だけが負担を背負い続ける関係は、いつか必ず歪みが生まれます。
第2話では、真由がその歪みに気づいてしまった瞬間を描きました。まだ何かが起きたわけではない。でも、もう同じ気持ちではいられない。
その静かな変化こそが、この物語の大きな転換点です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

