■第一子のときの「もっと育児に関わりたかった」という後悔から取得を決意
――竹村さんはもともと1年予定で育休に入り、結果的に1年半というかなり長期の育休を取得されたそうですね。長期育休に踏み切った理由を教えてください。
竹村さん 一番大きかったのは、長女が生まれたときの後悔です。当時の僕は「仕事を休むのは難しい」と思い込んでいて、育休を取りませんでした。 でも第二子ができて、「あのとき取得しておけばよかった」「今度はもっと育児に関わりたい」と思ったんです。
僕たち夫婦は実家が気軽に戻れる距離ではなく、近くに頼れる人もいません。妻は一人目出産のタイミングで退職して、上の娘を自宅保育をしていましたし、その状況で2歳差の姉妹を妻一人で見るというのは、現実的に難しいと感じました。 当時、自分も在宅勤務を取り入れてはいましたが、メインで子育てができているわけではなかったので、子育てに重点を置くなら育休を取得するしかないと考えました。
――育休を取得されたのは出産後すぐからですか?
竹村さん いいえ、予定日の2週間前から有給消化して休みに入りました。 妻の陣痛が来たときに、妻が上の子を抱えて一人で対応しなければならない状況だけは避けたかったんです。
当時はコロナ禍で、次女の出産に立ち会うことはできなかったので、妻が出産するタイミングで長女と数日間の2人暮らしになりました。出産時に上の娘のケアを心配せずにいられたのは、妻にとっても安心だったかなと思っています。
――本当にそうですね。ただ、それだけ長期の育休となると、会社に伝えるのも少しドキドキしたのでは?
竹村さん はい。当時は1年取得予定だったので、それで話をしましたが、会社というか、会社の外を見回しても自分のような長期取得の前例はありませんでした。ただ、最初に相談した人事担当者が非常に理解のある方で、自分の背中を押してくれ、さらに自分の上司にも話を通してくれるなどフォローをしてくれたんです。
ほかにも周囲から批判的な声があるかもしれないな……と少し身構えていたんですが、同僚たちからは驚くほど反対意見はなく「いい選択だね」と前向きな声をかけてもらうことができました。本当に恵まれていたと思います。

「昨年の夏の旅先で撮影。これは育休後の旅行ですが、育休中も『お金がない!』と言いつつ、旅行は楽しんでました」(竹村さん)
■「稼ぐのはいつでもできる」貯金を切り崩しての生活を選んだ理由
――1年半となると、気になるのはお金の話です。育児休業給付金があるとはいえ、期間が長くなれば給付率は下がりますし(※)、家計への影響は大きいのではありませんか?
竹村さん そこは本当にリアルな問題としてありました。 実際、生活費の一部は貯金を切り崩して補っていたので、かなり貯金は減りましたね。 ただ、「お金は復帰してからでも稼げる。でも、小さな子どもたちと過ごせる時間は今しかない」という思いが勝ったんです。もし許されるなら、2年休みたかったくらい(笑)。それくらい、子どもたちとの時間は何にも代えがたい価値がありました。
【※編集部注:「育児休業給付金」の給付率は、育休開始から180日(半年)までは休業前の賃金の67%、それ以降は50%とされています。また、2025年4月から、共働き夫婦がともに育児休業を取得した場合に、従来の育児休業給付金に13%の給付率が上乗せされる「出生後休業支援給付金」制度が開始しました。(最大28日間)】

「当時住んでいた家は、2階がリビングで1階が寝室だったので、次女を寝室で寝かせているときに見守りカメラが必須でした。スマホで様子を確認でき、泣いたら通知もしてくれます」(竹村さん)
