「きょういく」を合言葉に情報を発信中
編集部
現在の体調についても教えていただけますか?
かねやさん
がんについては4カ月に1回の経過観察中です。見た目でわからない、理解されにくい更年期症状、リンパ浮腫と共生しています。治療の副作用による更年期症状については、初診の病院に相談し、漢方薬の処方とサプリメントで対応しています。リンパ浮腫は患者会に参加し、専門医に情報と対処法(圧迫と運動)を教えてもらいセルフメンテナンスで対処しています。
編集部
かねやさんは自身の体験を幅広く発信されているそうですね。
かねやさん
SNSで自身のがん経験の発信・治療と仕事の両立支援の周知にも取り組んでいます。持論として、治療と仕事の両立支援には2つの「きょういく」が必要だと思っています。1つ目は「共育(ともいく)」で医療職、職場と共に学ぶ必要性があること、2つ目は「今日、行く」で困ったときに相談する場所、サードプレイス作りをすることです。この2つを実践し、休職からの復職・転職を果たした自分だからこそ、同じ悩みを持つ人のロールモデルになれないかと考えて活動をしています。
編集部
卵巣がん・子宮体がんを普段意識していない人に向けて、伝えておきたいことはありますか?
かねやさん
あなたという人の代わりはいません。私は病気の可能性があると知ったとき、自分の体の変化に蓋をして、見て見ぬふりをしたいと思いました。当時は現実逃避していたいという感情が強く、それが病気の発見を遅らせる原因にもなったと感じているので、自分にとっての反省点です。女性は、家族や仕事のために自分のことを後回しにする人も少なくありません。家族や仕事のことと同じかそれ以上に、自分自身にも興味関心をもっと持ってもらいたいと思います。
編集部
かねやさんの体験を通して、医療従事者に期待すること、望むことはありますか?
かねやさん
婦人科初診の際、「もっと早く受診していれば」と言った自分に、「病院に来てくれた今が治療のタイミングだった」と医師が言ってくれた言葉を今でも思い出します。その言葉が自分の治療への励みになったことは間違いありません。医療従事者の言葉には励まされることも多かった一方で、今でも心に傷となって残っている言動もありました。自分が考える以上に医療従事者の言動は、患者の心に残るものだと認識してもらえたらありがたく思います。
編集部
ありがとうございます。最後に読者へ向けてメッセージをお願いできますか?
かねやさん
がんの罹患は、自分にとって「今までの人生の総棚卸」でした。本当に人間力が試された時間だったと実感しています。手術と抗がん剤治療を受けたあとから、自分の「本当の闘病」が始まりました。副作用の更年期症状とリンパ浮腫とは、今後も長い付き合いになるでしょうが、治療と仕事の両立支援の2つの「きょういく」を実践し、がん罹患後の新たな自分らしさを再構築して行こうと思います。みなさんも、がんになっても、ならなくても自分を大切に生きていくことを意識してほしいです。
編集後記
早期発見には検診が非常に重要ですから、若年であっても定期的に自分の体をチェックし、異常がないか気にしておくことが大切です。卵巣がん・子宮体がんは初期症状がないこともあるため、怖がらずに婦人科を受診しましょう。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
記事監修医師:
佐藤 綾華(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

