朝日新聞出版の社員から「パワハラ」を受けて廃業に追い込まれたとして、フリーランスの女性編集者が同社と社員を相手取り損害賠償を求めた裁判の控訴審は、東京高裁で和解が成立した。
和解は1月16日付。社員の言動が女性に精神的苦痛を与えたことについて、会社側が謝罪し、ハラスメントに関する社内研修の徹底など再発防止策を講じることを約束する内容だという。
●1審は朝日新聞出版に約60万円の支払い命令
1審判決などによると、原告の女性は2018年11月、朝日新聞出版とムック本編集業務の委託契約を結んだが、編集責任者だった同社の女性社員から「考え方が非常識」「親の顔が見たいですね」などのメールを送られたという。
1審の東京地裁は、こうしたメール送信行為を「違法」と認定し、被告側に計約60万円の損害賠償の支払いを命じた。一方で、女性側が主張したハラスメントによる休業損害については退けた。
この判決を不服として、原告側が控訴していた。
●メールで「親の顔が見たいですね」 会社側が女性に謝罪
和解条項によると、朝日新聞出版の社員がフリー編集者の女性に対して「考え方が非常識です」「今回、迷惑をかけた方々、一人ひとりに頭を下げてください」「親の顔が見たいですね」などとメールを送ったことについて、同社は「編集責任者という優越的関係に基づき業務の適正な範囲を超えて精神的な苦痛を与え、また、侮辱して名誉感情を害したこと」を謝罪する内容だという。
また、和解条項では、フリーランサーへのハラスメント再発防止策として、2024年11月施行のフリーランス法などに基づいて、事業部ごとの社内研修を徹底すること、職場でハラスメント防止方針を周知すること、相談窓口をフリーなどにも周知すること、フリーが業務を円滑に遂行できるように編集スケジュールに配慮して必要な情報を提供すること──を約束したとしている。

