親として尊重すべきポイントは?
夜、仕事から帰ってきた夫の正光に、昼間の里佳子との話と、湊の様子を伝えました。
「正光さん、どう思う? 湊の意見を尊重して、志望校を下げるべきかな。でも、あの子の努力を思うと…どうしてもふん切りがつかなくて」
正光はウデを組んで考え込みました。
「……友だち関係を基準に進路を決めるのは、危ういな。でも、今の湊に"がんばれ"と言うのが正しいのかも分からない。湊がこわれてしまったら元も子もないしな」
私たちは、親として最大の難問にぶつかっていました。
子どものメンタルを守るのか、将来の可能性を守るのか。 里佳子が言っていた言葉が頭の中でリフレインします。
「私だったら、娘の将来だけを考えた高校を選ぶわ」
でも、今の私には、その言葉を湊にぶつける勇気がありませんでした。
翌朝、湊は目をはらして起きてきました。
学校へ行く準備をしながら、一言も発しません。このままでは、受験以前に湊の心が折れてしまう。私は意を決して、もう一度、里佳子に電話をかけることにしました。
あとがき:正解のない選択肢
「いやな子から逃げたい」という、切実な願いを否定するのは、親としても胸が痛むものです。
しかし、一時の感情で努力をムゲにしていいのかという迷い。夫の正光が放った「湊がこわれてしまったら……」という懸念は、全親が抱く、恐怖そのものです。親子で共有しているようで、実はズレている、受験への温度差。寄り添いたいけれど導かなければならない…親としての責任のおもさが際立ちます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

