放置は危険!「コレステロール高め」「中性脂肪高め」が招く“ある日突然”の大きな病気

放置は危険!「コレステロール高め」「中性脂肪高め」が招く“ある日突然”の大きな病気

「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘されていても、自覚症状がないと様子見にしてしまいがちです。しかし、放置すると重大な病気を引き起こす可能性も。

詳しいお話を、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニックの菊池真大院長に聞きました。

Q.「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘されるとき、体の中では何が起きているのでしょうか

健康診断などで「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘されるのは、医学的には「脂質異常症」に該当する場合です。脂質は体に不可欠な成分ですが、血液中の量が適正範囲から外れると動脈硬化が進み、さまざまな病気のリスクが高まります。

脂質異常症は以下の3つのいずれか、または複数が当てはまります。

・LDLコレステロール(LDL-C)が高い:
LDL-Cは、悪玉コレステロールと呼ばれるものです。LDL-Cは肝臓から全身の細胞へ、細胞膜やホルモンの材料となるコレステロールを運ぶ働きを持ちます。一方で、増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化を進め、心筋梗塞・脳梗塞の主な原因になると考えられています。

・中性脂肪が高い(高トリグリセライド血症):
中性脂肪はエネルギー源として体に蓄えられる脂質です。食事の影響を受けやすく、高すぎると動脈硬化を促進し、膵炎のリスクにもつながります。

・HDLコレステロール(HDL-C)が低い:
健康診断などで指摘される脂質異常の多くは「高い」ケースですが、「低すぎる」ことが問題になる場合もあります。

HDL-C、いわゆる善玉コレステロールが低いのも、動脈硬化が進む原因になります。HDL-Cは血管や組織に余ったコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きを持ちます。HDL-Cが少ないと、血管壁にコレステロールが残りやすくなり、動脈硬化の進行につながります。

具体的な脂質異常症の判断基準となる数値は以下の通りです(日本動脈硬化学会)。

・LDLコレステロール: 140 mg/dL以上
・中性脂肪 :150 mg/dL以上(空腹時)
・HDLコレステロール:40 mg/dL未満

以前は血中の脂質の異常には「高脂血症」という名称が使われていましたが、2007年に日本動脈硬化学会のガイドラインで「脂質異常症」に変更されました。HDL-Cが「低い」ケースも含まれるため、より包括的な用語が採用されたのです。

Q.脂質異常症に自分で気づくことはできますか

脂質異常症はLDLコレステロールが高い、中性脂肪が高い、HDLコレステロールが低い、いずれの場合でも症状がほとんど出ません。自覚症状がないまま動脈硬化が静かに進むことが、脂質異常症の最大の問題点と言えます。

脂質異常症は血液検査で分かる数値異常で、体の表面に変化を起こす病気ではありません。異常な脂質は血管の中に少しずつ溜まり、ゆっくり動脈硬化を進めますが、痛みや見た目の変化を伴うことがほとんどないため、自覚症状が出にくいのです。

ごくまれに身体のサインとして、黄色腫(皮膚の脂肪沈着)、眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ:まぶたにコレステロールが沈着してできる黄色いふくらみ)、アキレス腱黄色腫などがみられるケースがあります。これらは、家族性高コレステロール血症(FH)を疑う重要なサインとなります。

また、超音波検査で脂肪肝を指摘される場合には、背景に中性脂肪の高値や、インスリン抵抗性(インスリン[血糖を下げるホルモン]が効きにくくなる)が隠れていることがあります。

心筋梗塞や脳梗塞を発症してから、脂質異常症があったと分かるケースもあります。また、動脈硬化が進行して、下肢動脈虚血(足の血流が悪くなる)として症状が現れることもあります。中性脂肪が著しく高い場合には、膵炎を起こして脂質異常に気づく場合もあります。
配信元: サンキュ!

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