●離婚や労働問題は「在留資格」と切り離せない
弁護士になって6年。俵さんのもとに寄せられる相談の多くは、労働問題と離婚をめぐるものだ。
「外国の方の場合、離婚や退職をすると、配偶者としての立場に基づく在留資格や、仕事に基づく在留資格を維持できなくなることがあります。在留資格は、これらの問題とセットになっています」
俵さんはこの点を丁寧に説明することを心がけている。
「そこをきちんと伝えると、とても感謝されます」
在留資格に加え、社会保障や税金についても説明をするという。
「たとえば未払い賃金が一括で支払われる場合、源泉徴収で税金が引かれ、思ったより手元に残らないことがあるので、還付の制度があることも説明します」
税金や社会保障は、税理士、社会福祉士や社会保険労務士などの専門分野だが、基礎的な情報を伝えると、相談者には喜ばれる。俵さんは、他士業から学びながら知識を広げているという。
「通訳を介さず、直接話を聞き、プラスアルファでアドバイスできること。理解してもらえるまで、繰り返し説明すること。それが自分の強みだと思っています」
●「この人を日本から追い出してはいけない」と思ってもらうために
外国ルーツの人の案件を増やしたいと事務所を移籍して1年。相談は多く、需要に対して担い手が圧倒的に足りていないことを実感している。
「今の事務所には、関係機関からの相談が非常に多いです。他士業者の方から『自分たちでは対応できないけれど、東京パブリック法律事務所さんなら』と言われることもあります」
日々、さまざまな国や背景を持つ人の相談を受ける中には、かつて弁護士を志すきっかけとなった「在留資格のない人」の案件もある。
「今、在留特別許可を取るのは本当に大変です。まずは当事者の話を丁寧に聞き、『この人を日本から追い出してはいけない』と裁判官に思ってもらえるよう、資料を集めて提出します」

