●「今度は自分が、同じような人を受け入れる番」
言葉の壁や制度の複雑さだけでなく、在留資格を維持できるかという心配。外国の人たちは、日本人以上に多くの不安を抱えているが、道を踏み外しそうになっている人の案件ほど手伝いたいと俵さんは語る。
「道を踏み外してしまったり、道を踏み外してそうになっている方の支援のほうが、自分の性に合っている気がします。
私自身、人付き合いに悩んだ時期があり、振り返ると、周囲に迷惑をかけたこともありました。ただ、そんな自分を受け入れてくれた人たちもいたので、今度は自分が、同じような人を受け入れる番ではないか、と」
クリスチャンである俵さんはこう続ける。
「神様に与えられた身体を使って、自分にできることをやる。そうすれば、結果は後からついてくると思っています」
●外国ルーツの人のための弁護士は、まだまだ足りない
弁護士になってよかったことは何ですかと尋ねると、「よい同僚と働けていること」「勉強を続けられること」という答えが返ってきた。
「趣味は語学の勉強です。仕事で主に使うのは英語やスペイン語ですが、多少の中国語(普通語)やタガログ語などでコミュニケーションが取れると、相談者の方に安心していただけることが多いです。そういうことも語学を学ぶモチベーションにもなっています」
法律だけでなく、言語、税金、社会制度──。学ぶことは尽きない。
「外国ルーツの人のための弁護士は、まだまだ足りていません。一緒に仕事ができる仲間が増えたらうれしいですね」
【プロフィール】たわら・こうじろう/1985年パナマ共和国生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。中央大学法科大学院卒業。2020年弁護士登録。現在、東京パブリック法律事務所に在籍。日本司法支援センター本部国際室、東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会などに所属。

