布施の飲み屋街をふらり歩いていると、不思議と足が止まる場所がある。派手な看板もなければ、SNS映えもしない。
でも、暖簾の奥からは笑い声とおでんの湯気が漏れてきて、なんだか懐かしい気持ちになる。
「淡路屋」は、メディア取材NGの大衆居酒屋。初めて入ったのに、なぜかホッとする空気がある。味の染みたどて焼きに、鯨のおばけ、そして年中あるキリンビール。昭和の香りと今の温度が、絶妙に混ざりあっている。そんな場所が、布施にちゃんとある。

たぶん今日も、変わらず暖簾は揺れている。
布施駅の北側。ネオンと看板がせめぎ合うように並ぶ飲み屋街の一角に、ひときわ静かな店がある。
名前は「淡路屋」。看板も控えめで、目をこらさなければ見逃してしまいそうな佇まい。だけど、いつも誰かが出入りしていて、暖簾の奥には常連たちの笑い声が絶えない。
カウンターの向こうでは、湯気が立ちのぼり、店内には味の記憶が染み込んでいる。
「派手なことは、なにひとつない。」それが、この店の魅力かもしれない。
どこを切り取っても、大衆居酒屋の教科書。

暖簾をくぐると、すぐに感じる。これは、“THE・大衆居酒屋”。
店の中心にはコの字型のカウンター、壁一面の手書きメニュー、そしてちょっと低めの天井。
染みのある壁や、くすんだ照明さえも、長年の営業を物語っていて、妙に落ち着く。
カウンターに座れば、「とりあえず生で!」と声をかけたくなるような、気さくな空気が流れている。
