「牡蠣」にあたったらまず何をすれば良い?医師が”食あたり・食中毒の対処法”を解説!

「牡蠣」にあたったらまず何をすれば良い?医師が”食あたり・食中毒の対処法”を解説!

「食あたり」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「食あたり」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

食中毒(ノロウイルス)

ノロウイルスは冬場に流行しやすい感染性胃腸炎の代表的な原因です。牡蠣などの二枚貝を生食することで感染し、1日から2日の潜伏期間を経て、激しい嘔吐、下痢、発熱を引き起こします。特効薬はないため、脱水を防ぐための水分補給を中心とした対症療法が行われます。水分が取れない場合は点滴が必要になるため、内科や消化器内科を受診してください。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは海水中に生息する細菌で、夏場に発生件数が増加します。魚介類の生食が主な原因で、激しい腹痛と下痢が特徴です。多くは数日で回復しますが、抗生物質の投与が必要になることもあります。腹痛が耐え難い場合や脱水症状がある場合は、消化器内科で治療を受けることをお勧めします。

貝毒

牡蠣などの貝が有毒なプランクトンを食べて毒素を蓄積し、それを人間が食べることで発症します。下痢性貝毒と麻痺性貝毒があり、特に麻痺性貝毒では手足のしびれや呼吸困難を引き起こし、命に関わることもあります。しびれなどを感じた場合は、直ちに救急車を呼ぶか救急医療機関を受診してください。

急性胃腸炎

ウイルスや細菌などが原因で胃腸粘膜に炎症が起こる病気の総称です。牡蠣による食あたりもこれに含まれます。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢が主な症状です。基本的には安静と水分補給で自然治癒を待ちますが、症状が長引く場合や高熱が続く場合は、他の疾患の可能性も含めて内科での診察が必要です。

アレルギー

牡蠣に含まれるタンパク質に対して免疫が過剰に反応することで起こります。特に加熱した牡蠣でも摂取直後から症状が出るのが特徴です。食後すぐに蕁麻疹、喉の痒み、腹痛、時に下痢などが現れます。重症化するとアナフィラキシーショックを起こし、呼吸困難や血圧低下を招くため極めて危険です。アレルギー症状が出た場合は、速やかにアレルギー科や救急外来を受診してください。

「牡蠣の食あたり」の正しい対処法は?

ここでは、実際に症状が出てしまった場合の具体的な対処法や予防策について解説します。

牡蠣にあたる食中毒・食あたりの症状を落ち着かせるには?

最も重要なのは、嘔吐や下痢で失われた水分と塩分を補うことです。経口補水液などを少しずつ頻回に飲みましょう。食事は無理にとる必要はありませんが、食欲が出てきたらおかゆや柔らかくしたうどんなど、消化の良いものを少量から始めてください。脂っこいものや刺激物は胃腸の負担になるため避けましょう。

生牡蠣にあたる症状で解熱剤・胃腸薬・下痢止めなどの市販薬は服用して良い?

下痢止めに関しては、体内のウイルスや毒素を排出する妨げになる可能性があるため、基本的には使用を控えるか、医師に相談してから服用するのが安全です。整腸剤(プロバイオティクス)は服用しても問題ありません。解熱鎮痛剤や胃腸薬を使用したい場合も、市販薬で様子を見るよりは、受診して適切な処方を受けることをおすすめします。

牡蠣の食あたりを予防するには?

予防の基本は十分に加熱することです。ノロウイルスを死滅させるには、85度から90度で90秒以上の加熱が必要とされています。また、調理器具や手指を介した感染を防ぐため、手洗いの徹底や調理器具の消毒を行うことも重要です。体調が優れない時は生食を避けるという判断も、予防の一つと言えます。

「牡蠣の食あたり」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「牡蠣の食あたり」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

生牡蠣の食あたりの症状はどのようなものがありますか?

齋藤 雄佑(医師)

主な症状は、突然襲ってくる吐き気や嘔吐、水のような下痢、場合により発熱です。これらに加えて、腹痛や悪寒、倦怠感を伴うことも多くあります。

牡蠣の食あたりは何日後に発症しますか

齋藤 雄佑(医師)

牡蠣の食あたりは原因により何日後に発症するかが異なります。原因がノロウイルスの場合は、食べてから24時間から48時間後、腸炎ビブリオについては4〜48時間後に発症することが一般的です。食べた直後よりも、1日か2日経ってから症状が出ることが多いことを覚えておきましょう。

牡蠣にあたりやすい人や食べ方などに特徴はありますか?

齋藤 雄佑(医師)

胃酸の分泌が少ない人や、寝不足やストレス、疲労などで免疫力が低下している人はあたりやすい傾向にあります。

岩牡蠣は真牡蠣の生食と比べてあたりにくいのでしょうか?

齋藤 雄佑(医師)

岩牡蠣は夏が旬で、真牡蠣は冬が旬ですが、どちらもあたるリスクはあります。冬の真牡蠣はノロウイルス、夏の岩牡蠣は腸炎ビブリオのリスクがあるため、どちらか一方があたる確率が低いとは言い切れません。

牡蠣にあたって嘔吐や下痢が起きた場合、何日頃で回復しますか?

齋藤 雄佑(医師)

何日で治るかは個人差はありますが、適切な水分補給と安静を保てば、通常は発症から1日から3日程度で症状のピークを越え、徐々に回復に向かいます。

まとめ 牡蠣の食あたりのときは脱水を防ぎ安静に

牡蠣は非常に美味しい食材ですが、生食には食あたりのリスクが伴います。もし食べてから数日以内に嘔吐や下痢などの症状が現れた場合は、慌てずに水分補給を行い、毒素を排出させることが大切です。決して自己判断で下痢止めを飲まず、症状が重い場合や不安な場合は早めに医療機関を受診してください。正しい知識をもって安全に食事を楽しみましょう。

「食あたり」症状で考えられる病気

「食あたり」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

ノロウイルス感染症カンピロバクター腸炎

サルモネラ腸炎

腸管出血性大腸菌感染症

アニサキス症

腸閉塞

食あたりや感染性腸炎だと思って様子を見いたところ、腸閉塞で脱水が進んでいたなど、決めつけによる治療の遅れも懸念されます。ぜひ、心配な症状があるときは医療機関の受診を躊躇しないようにお願いいたします。

「食あたり」に似ている症状・関連する症状

「食あたり」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

お腹が張る

胃がムカムカする

冷や汗

水様便

腹痛嘔吐吐き気血便

これらの症状は食あたり以外の病気の症状が含まれているので、食あたりと決めつけずに不調が続く場合は医療機関を受診してください。

【参考文献】
・JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015 ―腸管感染症―

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配信元: Medical DOC

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