
日本酒は出来たてが一番おいしい?
【要注意】「えっ…知らなかった」 これが「日本酒」を保管してはいけない“場所”です!
2026年2月4日は「立春」です。毎年、立春当日は、蔵元が、搾りたての日本酒を出荷する「立春朝搾り」と呼ばれる行事が催されます。ところで、ネット上では「日本酒は出来たてが一番おいしい」という情報がありますが、本当なのでしょうか。また、日本酒をおいしく飲むにはどのような場所で保管すべきなのでしょうか。良質な日本酒の普及活動を行い、立春朝搾りの主催団体である、日本名門酒会(東京都)の担当者に聞きました。
日本酒を保管するときは直射日光に要注意
Q.そもそも「立春朝搾り」では、どのようなことが行われるのでしょうか。
担当者「立春朝搾りは日本名門酒会が企画した行事で、今年で29回目を迎えます。立春朝搾りでは、立春の日の朝に搾り上がった日本酒をそのまま瓶詰め後、近隣神社の神主によるおはらいを受けた上で出荷するのが特徴です。累計で500万本販売という、国内最大級の日本酒の販売イベントとして人気を博しており、今回は35都道府県の42の蔵元が参加します。
立春朝搾りで出荷される日本酒は、『出来上がった当日に楽しめる搾りたてのお酒』であり、日本名門酒会の加盟酒販店で発売します。蔵元の情報は日本名門酒会の公式サイトに掲載しているので、ぜひご覧ください」
Q.ネット上では「日本酒は『出来たて』が一番おいしい」といった情報がありますが、本当なのでしょうか。
担当者「そう感じる人もいるという程度です。出来たては発酵段階で発生した天然の発泡を感じる場合があり、それがよりフレッシュさ、爽やかさを演出します。華やかさも感じやすいでしょう。
ただ味わいに関しては、少し落ち着かせた方が、バランスが良くなりおいしいという人もいます。フレッシュさ、華やかさを重視する人は出来たての日本酒、うまみや落ち着いた味わいを重視する人は少し寝かせた日本酒がお勧めです」
Q.日本酒の「出来たて」に具体的な定義はあるのでしょうか。また、出来たての日本酒にはどのような特徴があるのでしょうか。
担当者「出来たてという言葉を日本酒に置き換えると『搾りたて』という言葉になります。発酵したもろみを搾る工程の『上槽(じょうそう)』を経て日本酒ができます。基本的には秋から翌年の春先までが酒造りの期間であり、『搾りたて』はこの期間に出荷される季節のお酒として楽しまれています。先述の通り、炭酸ガスが残っているお酒も多く、若々しいハツラツとした香りが楽しめるお酒です」
Q.出来たての日本酒をおいしく飲むためには購入後、いつ頃までに飲むのがお勧めなのでしょうか。また、出来たてかどうかに関わらず、日本酒はどのような場所で保管すべきなのでしょうか。お勧めの保管方法や保管時のNG行為も含めて、教えてください。
担当者「お酒の味わいにもよりますが、『生酒』と呼ばれる一度も火入れという殺菌工程を経ていないお酒は、基本的に冷蔵庫の中で保管してください。冷蔵庫で保管し未開封であれば、すぐに悪くなることはありません。フレッシュさを感じたい場合は、早めに飲むことをお勧めします。
生酒の特徴は味の変化が起こりやすいという点です。それが悪いということではなく、保管期間で味が変化し、よりおいしく感じることもあります。好みの問題です。
火入れをしていれば常温で保管していても特段問題はないでしょう。マイナス5度で保管すれば味わいの変化は起こりづらいですが、逆に熟成という観点から言えば、味に変化がなく、つまらないということになります。自分がどのような日本酒が好きなのかによって、保管場所や保管期間などを考えても良いと思います。
ただ、これだけは気を付けてほしいという点があります。それは『日光』です。日本酒の一番の天敵と言えるかもしれません。日光の紫外線は日本酒に悪影響を及ぼします。そのため、日本酒の瓶は紫外線を通しにくい緑、茶色、黒が多いのです。見た目が涼やかな透明瓶や白フロスト瓶は紫外線を通しやすく、劣化しやすいので特に注意が必要です。直射日光が当たらない暗い場所での保管、または新聞紙のような紙類に包んでの保管を推奨します。
また、あまりに高温になる場所も日本酒にとって良くないとされています。冷蔵庫では保管できない場合は、できれば20度前後を保てるような場所を選んで保管してみてください。
新しい季節の始まりに、普段はなかなか味わえない“搾りたての日本酒”を楽しんでいただければと思います。立春朝搾りをきっかけに、ご自身の好みや日本酒の奥深さに触れていただけたらうれしいです」
