おいしい出汁が取れるうえ、煮物やお雑煮の具にもなる「干ししいたけ」は、栄養も抜群。ですが、じつはこの干ししいたけ、さらに干すとビタミンDの含有量が増えるの、知っていますか?
この“追熟”ならぬ“追い干し”、「どうせ面倒なんでしょう?」と思いきや、意外にも干ししいたけを天日干しするだけでOK! では、どんなメカニズムで栄養素が増え、どういった体に良い効果を得られるのでしょうか?
干ししいたけを天日干しすると栄養が増えるのはなぜ?
実はしいたけの産地では、昔から天日干しではなく、薪火乾燥や炭火乾燥が主流でした。その大きな理由が、天日干しによる乾燥不足。真夏以外の弱い日差しでは、しいたけが完全に乾燥するまでに時間がかかりすぎ、品質が保てず長期保存に不向きだったのです。
しいたけに含まれる「エルゴステロール」という物質は、紫外線が当たるとビタミンD2に変わります。そのため、干ししいたけを天日干しすることで、ビタミンD2の量がアップするというわけです。
ちなみに、人間は日光浴をすることで、体内でビタミンDが作られます。ですが、デスクワークをしていると、日中に外へ出るのもなかなか難しいですよね。そのため、食品からビタミンDを補う意味でも、「干ししいたけの天日干し」はオススメです。
ビタミンDの主な役割の一つは、骨や歯の健やかな成長を支えること。カルシウムを吸収しやすくする働きがあり、体の中のカルシウムのバランスが保たれることで、筋肉や心臓の働きも助けます。さらに、国立がん研究センターの研究では、ビタミンDの血中濃度が高くなると、がんの罹患リスクが低下するという報告もあります。
干ししいたけを天日干しする方法
干ししいたけを天日干しする方法は、とってもシンプル! 太陽の光が当たる屋外に1時間ほど置いておくだけです。実際に干ししいたけを買ってきて、試してみました。
干ししいたけの天日干しの手順
1:まず、干ししいたけを皿やざるに重ならないように並べます。このとき、傘の裏側を上に向けて光に当てます。
2:1時間ほど経過し、傘の裏が白っぽくなったらOK。これで干ししいたけの天日干しは完了です。
3:すぐに使用する場合は、そのまま水で戻して使います。保存する場合は、干ししいたけが冷めてから袋に入れます。熱々のまま入れると、結露する可能性があるので注意しましょう。

