
ドラマプレミア23「キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Lemino・TVerでも配信あり)の第4回が、2月2日に放送された。大河(赤楚衛二)の挫折した過去が明かされた他、うまくいかない兄との様子が描かれた(以下、ドラマのネタバレを含みます)。
■日本人男子×韓国女子のピュア・ラブストーリー
本作は、日本人の長谷大河と韓国人のパク・リン(カン・へウォン)が、文化や価値観の違いにとまどいながらも引かれ合い、やがて自分自身を見つめ直して前を向いていく姿を描くピュア・ラブストーリー。放送と同時に、Netflixでも世界独占見放題配信されている。
■幸せな誕生日
リンの誕生日に結ばれた2人は、さらにラブラブ。リンの母が作っていった韓国の誕生日メニューの定番・わかめスープなどたくさんの料理を2人で食べ、幸せな誕生日となった。
ちなみに、大河が料理を食べている時に言った「クルマッ」は、直訳すると「ハチミツ(=クル)の味(=マッ)」。“ハチミツみたいにおいしい”、つまり「すごくおいしい」を表わすスラングだ。発音は「ックルマッ」だが、大河は「車(くるま)」と同じ言い方をしたので、リンは一瞬分からなかったのだ。
リンは、つたない発音で話す大河がかわいくてたまらない。そして、自分のために韓国語を覚えて話そうとしてくれる彼の気持ちがうれしかった。
■ヌルンジ味の飴
リンの家からの帰り道、飴を口の中で転がしているリンの頬を、大河は思わずツンツン。それを、大河も飴が食べたいのかと思ったリンは、彼に一粒おすそわけ。飴には韓国語で「ヌルンジ」と焼き印がしてあった。「ヌルンジ」とは、いわゆる“おこげ”のことだ。
彼女は、一番好きな飴で「温かい味」と説明し、「特に落ち込んだ時は、メッチャ元気が出るから絶対食べてね」と言った。
そして、突然立ち止まり周りを見回して誰も居ないことを確認したリンは、大河の頬にキス。驚く大河を恥ずかしそうにチラ見して、彼女は小走りで先に行ってしまった。以前からそうだが、リンはいつも積極的だ。
幸せいっぱいで新たなメニューを研究していた大河に、兄の正樹(田島亮)から「父の13回忌のために盆に長野の実家に帰って来い」との電話が…。大河の心は一気に重くなった。

■大河の過去
大河は、大学に陸上で推薦入学。練習後も毎日自主トレに励んでいたが、その努力もむなしく、補欠に。高校時代は何度も優勝していたが、全国レベルでは彼の記録は平凡だった。努力だけでは越えられない実力の差を目の当たりにして挫折し、それからは先に進めないでいる。
そんな大河に比べて、正樹は一流大学を卒業して一流企業に就職。先日は課長に昇進とエリート人生を歩んでいる。大河は兄に大きなコンプレックスを抱いている。
避けていた実家に久々に帰ってきた大河だったが、親戚たちは正樹ばかり相手にして、大河は蚊帳の外。居場所が無い彼は、台所に行き、料理する母を手伝いながら、つかの間安らぎを覚えるのだった。
■「誰にだってできる仕事」…?
縁側でひと息ついていると、正樹がやって来て「これからどうするのか」と将来について尋ねた。正樹は、以前からいつまでもフリーターの大河に「いい年なんだから、自分探しもいいかげんにしろ」などと耳の痛いことを言ってくるので、大河的にはあまり話したくない存在だ。
大河は、「田の実」で頼りにされていることを話したが、正樹は「アルバイトが大河しかいないんだから頼るしかないだけ」と鼻で笑った。そして、「そんなの誰だってできる仕事なんだから、勘違いするな」と言って、大河の心を沈ませた。
大河は、兄との会話をリンに報告。すると彼女は、「店とマスターのシゲさん(吹越満)にとって、大河はメチャクチャ必要な人」と力説した。料理の腕はもちろん、メニューの説明が丁寧、常に笑顔と彼の良いところを挙げるリン。だが、大河は「それこそ、誰にでもできることでは…?」と、ヘコんだまま。
そんな彼を、リンは「それを当たり前のように毎日続けられる人は、あまりいない。すごいこと」と元気づけた。「時間をかけて繰り返すより強いことは無い。今の修業は、無意味じゃない」との彼女の言葉に、大河は癒された。そして、リンからもらった飴を食べて、彼女が言ったように元気を取り戻すのだった。

■やり遂げる覚悟
意を決して大河は、兄にたしかに今はアルバイトで、誰にでもできる仕事かもしれないが、「誰にでもできること」を突き詰めていくと、いつかはそれが「自分にだけできること」になっていくんじゃないかと、自分の思いを伝えた。「だから、今は料理を続けてみたい」と決心を告げた大河に、兄は「またダメになったら、どうするんだ?」と尋ねた。
「最後までやり遂げる覚悟はできているのか?」との兄の問いに、大河は「覚悟…」と考えたが、答えは「分からない」だった。兄は、大河に「学生時代から何も変わっていない」と落胆し、「中途半端な気持ちでダラダラ続けても時間の無駄」と言い残して、部屋に戻っていった。大河は、ただ「そうか、頑張れよ」と言ってほしかっただけだったのではないだろうか。
兄は、言葉は冷たいが、大河を見下しているわけではないと感じた。たしかに、期待を背負って大学に推薦で入学した弟が挫折したことにはガッカリしただろうが、それを怒っているわけではないと思う。その後、新たな希望も見つけられず立ち止まっていることが心配で歯がゆいのだ。激しい競争社会をくぐりぬけてきた兄には、弟が甘えているように見え、ついきつくあたってしまうのだろう。
■シゲさん、リンの助言
大河は、東京に戻ったその足で「田の実」に行き、シゲさんに、兄とも母とも向き合えなかったことを打ち明けた。父のいない彼にとって、シゲさんは父親代わりなのだろう。「27にもなって、成し遂げたことも身につけたことも何も無い。本当に情けない」と自虐する大河を、シゲさんは翌朝の市場での仕入れに同行させた。
市場の活気に圧倒された大河に、シゲさんは、自分は高校中退で、生活のために料理の道に入り、何となく続けて今に至るのだと語り始めた。そして、「人も物も変わる」と言い、大河に「本当に自分は何も持っていないと思うのか?」と尋ねた。大河は、しばらく考えた後、首を横に振った。
仕入れの後、リンに会いに行った大河は、兄との関係は改善されなかったが、結果的に実家に行って良かったと彼女に伝えた。家族の期待通りに生きられなかったことで、ずっと後ろめたさを感じていたのだと気付いたと話した大河に、リンは「一方的に期待されたり、未来を決められるのは違うと思う!」と反論した。
彼女は先日、母親がアニメの道に進みたい彼女の夢を知りながらも、安定を望んで、母が見つけた専門学校の講師の仕事に就くように命じてきたことにモヤモヤしていたのだった。

■作本との出会い
そんな中、シゲさんが家庭の事情で2、3日東京を離れることになり、その間、大河は店を任されることになった。彼が1人で店で奮闘しているところに、陸上部時代の友人が、作本(三浦誠己)という人物を連れて来店した。
作本は、大河の料理を誉め、「選手を退いた後、こうやって別の道に進んでいるのは素晴らしい。皆が皆できることじゃない。頑張ってください」と言った。初対面の人物が自分を認めてくれた…大河は胸がいっぱいになった。
帰り際に、作本は大河に名刺を渡し、「企業でアスリートの栄養プランと食事管理をしている」と告げた。この出会いが、大河の運命を大きく動かしていくことになりそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


