7つの立体映像空間で巡る、動き出す浮世絵の世界
動き出す浮世絵展は、「藍」「麗」「豪」などのコンセプトをもとにした7つの立体映像空間で構成された展示です。コンセプトが替わるごとに映像の雰囲気や色合いも変わり、そのたびに、まったく違う世界に入り込んだような感覚になります。
彩:花鳥風月の空間
波がうねる水の世界、花が咲き誇る華やかな空間、美人画の繊細な表情、そして豪傑たちが躍動する迫力あるシーン。どれもスケールが大きく、映像の動きもダイナミックで、思わず立ち止まって見入ってしまいます。
豪:武者絵
私自身、浮世絵は教科書で見たことがあるくらいですが、それでも気負わず楽しめる展示です。軽い気持ちで入ったはずなのに、目の前で動き出す浮世絵に、想像以上に引き込まれて、しばらくその場を離れられなくなりました。
にぎやかで、ちょっとゆかい。大阪の浮世絵
展示の途中には、大阪を舞台にした浮世絵を紹介するエリアも用意されています。
道頓堀や淀川沿い、桜宮など、江戸時代の大阪の名所を描いた作品が並び、当時の街のにぎわいや、人々の暮らしぶりをのぞき見ることができます。
迫力あるデジタル映像とは対照的に、ここは少し立ち止まって、じっくり眺めたくなるエリアです。
道頓堀(日本橋)
印象的なのは、どの作品もとにかく動きがあること。
たとえば、道頓堀の作品では、激しい雨のなか、商人たちが必死に商売道具を守ろうと奮闘する様子が描かれています。
淀川沿い(樋之口)
淀川沿いの場面では、何かに驚いた人たちが一斉に逃げ出すドタバタした瞬間がユーモラスに表現されており、思わずクスッと笑ってしまう場面ばかりです。
浪花百景 さくらの宮景
桜宮を描いた作品では、満開の桜を背景に三味線を奏でる人々の姿が描かれ、花見と音楽を楽しむ当時の庶民文化が生き生きと伝わってきます。風景そのものの美しさだけでなく、「そこで過ごす人の時間」まで想像できるのが、大阪の浮世絵ならでは。
にぎやかで、どこか人間くさくて、ちょっと笑える。大阪らしい空気感がそのまま詰まった展示です。
