「熱はないのに体がだるい」症状の特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「熱はないのに体がだるい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
新型コロナウイルス(COVID-19)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる呼吸器疾患で、多様な症状が報告されています。症状は軽度のものから重症まで幅広く、初期には発熱、悪寒(おかん:寒気のこと)、喉の痛み、咳、呼吸困難感、倦怠感など風邪に似たものが見られますが、進行すると強い呼吸困難感、全身倦怠感、意識障害などを引き起こすことがあります。高齢者や基礎疾患を持つ人、妊娠中の人は特に注意が必要です。
治療に関しては、現時点で治療薬はありますが、基本的には対症療法が中心となります。症状を和らげるための薬物療法もあります。
予防としては、手洗い、アルコール消毒、咳エチケットの徹底が重要です。また、ワクチン接種は感染リスクを減らし、重症化を防ぐために推奨されています。
病院への受診目安に関しては、強いだるさ、息苦しさ、高熱などの症状がある場合、または症状が4日以上続く場合は、かかりつけ医や地域の受診・相談センターへの相談が推奨されます。緊急性の高い症状、例えば顔色の悪化や唇が紫色に変色する、呼吸困難などが現れた場合は、直ちに医療機関に連絡する必要があります。
病院での受診科については、主に内科や感染症科が対応しています。一方で、新型コロナウイルス感染症に関しては情報や対応が現時点でも流動的です。常に最新のガイドラインや医療情報を参照し、適切な対応を取るようにしてください。
慢性疲労症候群
6ヶ月以上疲労が続く場合には、慢性疲労症候群の可能性があります。慢性疲労症候群とは、原因不明の強い疲労感が少なくとも6ヶ月以上持続し、その疲労感によって社会生活に支障が出てしまう病気のことです。疲労感は安静によっても改善せず、身体的な、あるいは精神的な活動によっても悪化してしまうことがあります。
疲労以外にも筋力低下や筋肉痛、思考力や集中力の低下、不眠などの症状があり、日中の活動量が低下するといった特徴があります。
慢性疲労症候群の原因は現時点でははっきりとはわかっていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染、ストレス、幼少時の虐待やネグレクトなどが考えられています。
6ヶ月以上、特に原因がはっきりしない疲労感があり、日常生活にも問題が出ているような場合には、医療機関を受診するようにしましょう。まずは、一般的な内科を受診すればよいと考えられます。
自律神経失調症
自律神経失調症は、意識とは無関係に自動的に動き、体の状態を保ち続ける働きをする自律神経のバランスが乱れた状態のことです。身体的な症状だけでなく、精神的な症状も現れることがあり、その症状は人によって異なります。よくある症状には、手足のしびれ、手足の冷え、イライラ、不安感、不眠、体のほてりなどがあります。
自律神経失調症の診断は、症状を詳しく聞き、そして他の病気を除外して総合的に判断されます。特定の検査で直接的に診断されることは少なく、他の身体的な病気がないかを検査することで間接的に診断されることが多いです。
治療法には薬物療法と心理療法があり、個々の症状や原因に応じて治療が選択されます。薬物療法では、自律神経調整薬、抗不安薬、ビタミン剤、ホルモン剤などが処方されることがあります。心理療法では、カウンセリングや認知行動療法などを通じて、ストレスや心の問題に取り組むことになります。
病院へ行くべき目安としては、症状が日常生活に支障をきたすようになった場合や、症状が長期間続いて改善しない場合などです。受診すべき科には、一般内科、神経内科、精神科・心療内科などがありますが、自律神経失調症の症状は他の多くの病気と共通しているため、まずは内科を受診し、必要に応じて専門科への紹介を受けることになるでしょう。
うつ病
うつ病は、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、食欲の変化、睡眠障害、疲労感、自己評価の低下、集中力の欠如、重大な意思決定が困難になるなど、多くの精神的および身体的症状を伴う精神障害です。これらの症状は、日常生活や仕事などの機能に影響を与える可能性があります。また、無気力、痛み、不安などの非典型的な症状も現れることがあります。
うつ病の原因は多岐にわたり、生物学的要因、遺伝、ストレスフルな生活イベント、環境要因などが組み合わさって発症すると考えられています。診断は主に臨床的な評価に基づいて行われ、必要に応じて画像検査や血液検査を含む他の医療検査で身体的な疾患が原因でないことを確認します。
治療には薬物療法が一般的で、抗うつ薬が使用されます。これらの薬は、脳内の神経伝達を改善し、気分を高める効果があります。また、心理療法、特に認知行動療法も効果的な治療法として知られています。難治性の場合は、電気けいれん療法(ECT)が用いられることもあります。
病院への受診は、上述したような症状が日常生活に支障をきたし、自己管理が困難になった時が目安となります。特に、日々の活動に大きな影響を与えるほどの気分の落ち込みや、自傷行為や自殺願望が生じている場合は、直ちに専門家の助けが必要です。受診する科は、精神科、精神神経科、心療内科、メンタルヘルス科などが対応しています。身近な医療機関で相談し、適切な治療を受けることが大切です。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺が十分なホルモンを産生できない状態を指します。これにより、体の代謝が遅くなり、多様な症状が引き起こされます。症状には、疲労感、活気の低下、皮膚の乾燥、寒がり、体重増加、動作の鈍さ、常に眠たい感じ、記憶力の低下、便秘、声のかすれなどが含まれます。
原因としては、自己免疫疾患の一つである橋本病(慢性甲状腺炎)、甲状腺の手術や放射線治療の後遺症、特定の薬剤の副作用などが挙げられます。
診断は血液検査で甲状腺ホルモンの値を測定することで行われ、必要に応じて甲状腺の超音波検査が実施されます。治療は通常、甲状腺ホルモン剤によるホルモン補充療法で行われます。それぞれの患者さんの状態に応じて薬剤の種類や量が調整されます。一部の場合、漢方薬が症状を和らげるために使用されることもあります。
病院へ行くべき目安は、上記の症状が日常生活に与えているかどうかです。特に疲労感や記憶力の低下が日常生活に支障をきたしている場合です。甲状腺機能低下症は妊娠にも影響を与える可能性があるため、妊娠希望の方や妊娠中の方は特に注意が必要です。受診すべき科は、一般内科や内分泌内科、甲状腺専門のクリニックなどです。症状がある場合や妊娠に影響がある場合は、適切な治療を受けるためにも早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
「熱はないのに体がだるい」ときの正しい対処法は?
軽度の疲労や倦怠感であれば、ビタミンB1を含む市販薬や漢方薬が有効ですが、使用には注意が必要です。症状が数日以上続く場合や、他の症状が伴う場合は医師の診断を受けましょう。
漢方薬の例では、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」などが体力の回復や体質改善に用いられます。一時的な疲れや軽いストレス感には市販薬を利用できますが、発熱、強い痛み、持続する体の変化がある場合は自己判断せず医師に相談してください。
疲労回復のためのツボとしては、目尻の外側のくぼみにある「瞳子髎(どうしりょう)」というツボや、乳首から真っ直ぐ上にたどり、肩の大きな筋肉にぶつかったところにある「肩井(けんせい)」、また手の甲の親指と人差し指の骨が交わるすぐ手前にある、指が入るところにある「合谷(ごうこく)」などが知られています。
日常生活の注意点としては、バランスの良い食事、十分な睡眠、定期的な運動、ストレス管理を心がけましょう。喫煙は倦怠感の原因になり得るので、禁煙を目指しましょう。
早く治したい時には、まずは良質な休息を取り、栄養バランスの取れた食事を心がけることが基本です。また、適度な運動やストレス軽減のためのリラクゼーションも有効です。
しかしながら、休息や市販薬で改善しない時は、専門の医療機関を受診しましょう。

