
安政三年(1856年)創業、今年で170年を迎える京都の料亭・下鴨茶寮は、従来「西京漬け」として展開してきた商品を改良し、電子レンジで温めるだけで食べることができる新仕様の「西京焼き」として、新たに販売を開始した。
時代や地域を超えて愛される西京焼き

下鴨茶寮 料亭の西京焼き
西京焼きは、同じ料理でありながら関東と関西で異なる受け取られ方をしてきた。関西では日々の食卓に寄り添う惣菜として、一方で関東では「料亭の味」という特別な存在として親しまれることの多い料理だ。
創業170年の下鴨茶寮は、西京焼きを単なる定番料理としてではなく、料理が時代や地域の中でどのように親しまれてきたかという背景とともに見つめてきた。
こうした文化的な違いこそが、西京焼きを一つの完成形に留めることなく、時代に合わせて姿を変えながら受け継がれてきた理由のひとつであると考えている。
170年磨き続けてきた仕立ての技

下鴨茶寮 料亭の西京焼き(12切)
下鴨茶寮が大切にしてきたのは、魚の脂の乗り方や身質、季節ごとの状態を見極め、その時々に最もふさわしい仕立てを導き出すことだ。味噌床の配合や漬けの加減もまた、170年という時間の中で磨かれてきた技の積み重ねである。
魚種や素材の状態に合わせて味噌床を調整し、現代の食卓や贈答の場面にも自然に馴染む一品として仕立てている。
