退職代行サービス「モームリ」の運営会社から依頼者の紹介を違法に受けたとして、弁護士法人とその代表弁護士らが2月5日、弁護士法違反の疑いで書類送検されたと報じられている。
これを受けて、東京弁護士会は同日、公式ウェブサイトで、同会に所属する法人および代表弁護士の行為についてコメントを発表した。
この中で、東京弁護士会は「弁護士に対する信頼を損なうものであり、極めて遺憾な事態」として強い危機感を示した。
モームリをめぐっては、退職希望者を弁護士にあっせんし、違法に報酬を得たとして、運営会社の社長とその妻が弁護士法違反の疑いで警視庁に逮捕されている。
●「非弁提携弁護士の根絶を図るべく取り組んでいく」
東京弁護士会は「当会は、これまでにも退職代行サービスと弁護士法違反に関する注意喚起を行い、非弁提携弁護士の根絶を図るべく取り組んできた」と説明。
そのうえで、今後の対応について「本件に対し適正に対処するとともに、今後も弁護士に対する信頼確保のために全力で取り組んでいく所存です」としている。
●東京弁護士会は「事例」を紹介して注意を呼びかけている
東京弁護士会の非弁護士取締委員会は、退職サービスの利用場面において、業務内容によっては非弁行為に該当する可能性があるとして、注意を呼びかけている。
具体的に次のようなケースを紹介している。
【事例1】
・本人の要望は、会社を辞めること、及びこれまで支払われていない残業代の請求であった。
・業者は、本人に代わって、会社に対して伝えたところ、会社側は「もう辞めるのだから、残業代なんか支払わない。」と主張した。
・業者は残業代について「それは法律に違反する。」「私が計算したところ●円になる。」などと説明し、会社との話し合いの結果、残業代が支払われることになった。
【事例2】
・本人の要望は、契約期間の途中で会社を辞めること、及び在職中に受けたパワハラの慰謝料を請求することであった。
・業者は、労働組合と提携しており、法律的な問題について話し合い(交渉)になったら、提携先の労働組合が行うとしていた。本人は、業者に代金を支払って、依頼した。
・業者は、本人に代わって、会社に対して伝えたところ、会社側は「パワハラなんかしていない。」と主張した。
・業者は、労働組合と交代し、労働組合が話し合いを行った結果、会社はパワハラを認め、慰謝料が支払われることになった。

