<介護職員の悩み>「確かにキレイだけど」ご家族の愛に冷や汗。施設で『やってほしくない』と恐れること

<介護職員の悩み>「確かにキレイだけど」ご家族の愛に冷や汗。施設で『やってほしくない』と恐れること

筆者のエピソードです。高齢者の入居する施設には、さまざまな事情を抱えた利用者の方がいます。介護職員は一人ひとりの状況を踏まえたうえで対応していますが、面会のご家族にはなかなか伝わらない『危険』も存在しているのです。

優しいご家族

私が特別養護老人ホームに勤務していた時のことです。担当していたのは、認知症専門のフロア。
50名ほどの利用者の中には、ご家族との関係が良くない人も多かった一方、頻繁に面会に訪れるご家族もいらっしゃいました。

私の担当していたTさんのご家族はとても優しく、Tさんを大切にしていました。
認知症の症状が進行したため、在宅介護から泣く泣く施設入所となったのですが、毎週末には誰かしらが面会に来てくれる、深い愛情を持ったご家族だったのです。

きれいなお花

しかし一つだけ困ったのは、Tさんのご家族が「おばあちゃんはお花が好きだったから」と必ず花束を持ってきて、部屋に飾ろうとすることでした。

Tさんのお部屋は4人部屋で、他の利用者の方と同室。
利用者の中には、徘徊して食べ物以外を口にしてしまう症状を持つ方もいたため、施設内では誤飲や怪我を未然に防ぐため、花や飾りなどの設置は原則認められていなかったのです。

ご家族としての気持ちは理解できたのですが、実際にTさんが枕元に飾ってあったお花を食べてしまったり、他の利用者さんがはずみで花瓶を落として割れてしまったりしたことがありました。
一歩間違えれば、他の入居者様にも怪我をさせてしまいかねない状況に、現場には緊張が走りました。
担当として、ご家族には何度も「ご遠慮願いたい」と丁重にお話をしました。しかし「これくらいなら」というご家族の思いとなかなか折り合いがつかず、当時はその歩み寄りの難しさに苦労したのです。

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