将来は自分のために選ぶもの
後日、湊が教えてくれました。
「今日ね、美奈子ちゃんに声かけらたの。"湊ちゃん、たのしそうだね"って。美奈子ちゃん、高校に入ってから、"中学の時より楽しくない"って言ってたよ」
私は、湊の話を聞きながら、美奈子ちゃんの両親にも心をはせました。子どもが学校生活を満喫できていないというのは、親としてつらいものです。
「そっか…あたらしい環境になじむのに苦労してるのかな…」
「うん…美奈子ちゃんなりに、たのしみ方が見つかるといいね」
人間関係のトラブルは、時に人を成長させる糧になる。それにのみ込まれて、自分の未来をすてる必要はない。
今、私は、子どもの受験を控えたママ友に、里佳子がしてくれたように寄り添っています。
「高校は通過点だよ。他人のために選ぶんじゃなくて、自分のためにえらんでほしい。困ったら、先生に納得いくまで相談してみて」
湊が教えてくれた勇気と、里佳子がくれた知恵。
「受験」という大きなカベを乗りこえて、私たち親子は、少しだけ強くなれた気がします。
「いってきます!」
「いってらっしゃい、湊」
その背中には、もう迷いはありません。
広い世界へ、自分の意志でふみ出していく娘…。私はこれからもずっと応援しつづけようと思います。
あとがき:桜の季節、母娘が手に入れた「強さ」
ぶじに幕を閉じた湊の受験物語。あの時、親子で悩み抜いた日々があったからこそ、今、湊が見ている景色は、より輝いて見えるはずです。
かつてのトラブル相手である美奈子ちゃんへの「たのしみ方が見つかるといいね」という言葉には、湊の精神的な自立が表れています。受験は学力だけでなく、心の強さを育む試練でもありました。一歩、引いて見守る覚悟を決めた麻美の成長もまた、一つの「合格」と言えるのではないでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

