受刑者が投票できないのは憲法違反?塀の中の選挙権めぐり最高裁大法廷で審理へ「一人の人間として対峙して」

受刑者が投票できないのは憲法違反?塀の中の選挙権めぐり最高裁大法廷で審理へ「一人の人間として対峙して」

●刑期満了まで残り約1カ月、「大法廷に回付」の知らせ

八木橋さんの刑期は3月8日に満了する。それまでは仮釈放中であっても、法的には受刑者の扱いとなる。

そのため、突然の解散で実施されることになった今回の衆議院選挙でも、一票を投じることはできない。

まだ刑務所にいた2年前に上告していたが、刑期満了まで約1カ月に迫った今年1月21日、代理人弁護士から「大法廷に回付された」との知らせを受けた。

裁判所法10条は、大法廷で審理される場合について定めている。

10条 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。

1 当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
2 前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
3 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。

つまり、「大法廷への回付」は、受刑者の選挙権制限の是非を、最高裁の裁判官15人全員で審理することを意味する。

最高裁判所事件統計年表によると、年によって変動はあるものの、大法廷が憲法判断を示す事件は、年間約2000件の上告事件のうち、わずか数件〜十数件ほどにとどまる。

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●八木橋さん「15人の裁判官全員一致の違憲判断を」

「正面からやっと向き合ってくれました。最高裁には、世論に流されず、淡々と判断してくれたらと思っています。もちろん、受刑者の選挙権を制限する公職選挙法の規定を違憲と判断してほしいです。さらにいえば、15人の裁判官全員一致で違憲を出してほしい」

八木橋さんはそう期待をにじませつつ、最後にこう話した。

「もし機会があれば、最高裁の法廷で意見陳述をしたいです。僕は八木橋健太郎という名前を持った一人の人間なので、最高裁の裁判官たちには、受刑者としてではなく、一人の人間として対峙してほしいと思っています」

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