劇症型溶連菌感染症の治療後の注意点

劇症型溶連菌感染症は治療後に再発する可能性がありますか?
一度治療が完了すれば同じ発症エピソードがぶり返すことは多くありませんが、原因となる溶連菌自体には再感染しやすい性質があります。抗菌薬治療が不十分で菌が体内に残ってしまった場合には、まれに再燃のような形で症状が再び強くなる可能性もあるため、処方された抗菌薬は指示どおり終わりまで飲み切ることが重要です。また、溶連菌感染症は異なる型の菌に何度もかかることがあり、初回の劇症型の既往がある方では、発熱や急な痛み、倦怠感が出た際には早めに受診し、重症化していないか確認してもらうことが必要です。
退院後の生活で注意すべきことを教えてください
退院後は、無理をせず少しずつ体力を戻していくことが大切です。まず、主治医から指示された内服薬(抗菌薬など)がある場合は、症状がよくなっていても自己判断で中断せず、決められた期間しっかり飲み切るようにしてください。また、発熱、急な傷の痛みや赤みの悪化、息苦しさ、強い倦怠感などが出てきた場合は、再感染や合併症の可能性もあるため、早めの受診が望ましいです。退院後しばらくは外来での経過観察が必要になることが多く、主治医の指示にしたがって定期受診し、血液検査や創部の状態、腎機能などを確認してもらうことが必要です。さらに、手洗いの徹底や傷口を清潔に保つなど、日常的な感染予防の継続が大切です。
参照:『劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)』 (厚生労働省)
編集部まとめ

劇症型溶連菌感染症は、短時間でショックや多臓器不全に進行しうるとても重篤な感染症であり、早期診断と迅速な治療開始が何より重要です。治療の中心は、ペニシリン系抗菌薬とクリンダマイシンなどの併用による菌と毒素のコントロールに加え、輸液や昇圧薬の投与、人工呼吸管理、腎代替療法などを含む集中治療、さらに壊死性筋膜炎を伴う場合の早期かつ広範なデブリードマン手術です。症例によっては免疫グロブリン療法や血液浄化療法なども組み合わせた集学的治療が検討されます。退院後は、処方薬を指示どおり飲み切ること、発熱や強い痛みや倦怠感などの再度の異変に早めの対応で、外来での定期フォローと日常の感染予防の継続が大切です。
参考文献
『劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS) 』(感染症対策支援サービス)
『劇症型溶⾎性レンサ球菌感染症(STSS)の診療指針』(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
『緊急手術を行った壊死性筋膜炎の1例』(順天堂医学)
『劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)』 (厚生労働省)

