ゲームをすることで自分を保とうとする子もいる

ゲームやスマホ、SNSが子どもにとってどんな意味があるか、「それをすることで子どもはどうなりたいのか」を子どもの目線で考えてみると、今まで見えていなかったことが見えてくることがあります。
例えば子どもがゲームやSNSに没頭する背景には、現実の中に苦しさを抱えていたり、居場所がないと感じるからこそ、バーチャルな世界に居場所を見出し、心を保とうとしている場合があります。
たとえ家庭が円満でも、家族と距離を取りたいと思うことはありますし、学校生活がいつもうまくいくとは限りません。家庭でも学校でも、「子ども」「児童・生徒」「クラスの一員」など、求められる役割やキャラクターはあるものです。
そんなとき、SNSやオンラインゲームといったバーチャルな世界では、日常の縛りからは少し離れてありのままの自分として交流できることがあります。たとえ画面越しでも、人とのつながりや安心を感じたり、自分を表現できたりするのであれば、それは立派な居場所と言えるのです。
子どものコントロール力を高める「ルール作り」とは
そうした事実を踏まえた上で、ゲームやスマホについては「守れないルール」ではなく「守れるルール」を設定し、子どもが「守れた」と思える経験を積み重ねていくのがおすすめです。ルールは子どもを縛るためではなく、子どもが自分でコントロールができるようになっていくための大切な土台です。
もし今ルールを守れていないなら、お子さんと話し合って現実的なルールに修正していきましょう。ルールは一度つくったら終わりではなく、必要に応じて何度も見直し、子どもが小さな約束を守れる経験を重ねることが大事です。
この積み重ねがやがて自己コントロール力を育み、その結果として依存や嗜癖の予防につながっていくのです。
文=杉本透子
【著者プロフィール】
こど看
精神科認定看護師。精神科単科の病院の児童思春期精神科病棟に10年以上勤める。現在も看護師として病棟勤務しながら、「子どもとのかかわりを豊かにするための考え方」をXやYouTubeなどSNSで精力的に発信中。著書に『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』がある。一児の父。

