姉の言葉で気持ちを入れ替えたあんりは、帰宅した修斗に自分の気持ちを伝え、今ある幸せを守っていくことを誓います。
私は被害者じゃない
姉との電話を切った後、私は静かに泣いた。修斗を裏切った過去は、一生消えることはない。そして、彼が今感じている不安や不信感は、私が以前彼に与えたものだ。
「修斗……」
今は彼の気持ちが、痛いほどわかる。浮気サレた側の気持ち。信じたいけど、信じきれない苦しみ。毎日不安で、彼の行動一つ一つに疑いを抱いてしまうつらさ。
こんな思いを、一生添い遂げたい相手にさせていたと思うと恥ずかしく思うばかりだった。
夫を信じると決意する
「後悔先に立たず」
この言葉を、何度思い浮かべただろう。今更後悔したって、過去は変わらない。でも、過去の自分を反省し、これからの行動を変えることはできる。母親として、妻として、今、できることをやろう。不安と後悔は一生消えないかもしれない。でも、この不安を打ち消すことができるのは、修斗と向き合うことだけだ。
「ただいま」
玄関のドアが開く音がした。修斗の声だ。いつもと同じ、穏やかな声。私は心の中で、何度もつぶやいた。
「今日も帰ってきてくれて、ありがとう」と。

