家にいるのに、息ができない
その夜、私は夫・篤郎に泣きながらすべてを話しました。
「もうお友達を呼ぶのはなしにしたし、夕方すぐにマットを買い足してきて敷いた。でも、これでもまた怒鳴りこまれるかも…」
篤郎は静かに言いました。
「そうだな、いっそ引っ越そうか。家族でのびのび暮らしたいから分譲を選んだのに、これじゃ意味がないよ」
「えっ……引っ越し?」
「下の階の人がうるさいと思う気持ちは否定できないし、だからといって俺たちの幸せを諦めることもない。一戸建てを探さない?」
その言葉に、私はようやく救われたような気がしました。
あとがき:母親の涙と、差し伸べられた救いの手
「子どもだから仕方ない」と「共同住宅なんだから」の板挟み。奥様の怒りも理解できるからこそ、千鶴は自分を責めるしかありませんでした。友達を呼びたい盛りの息子を叱り飛ばし、息を潜めて暮らす限界の状況で、夫の「幸せを諦めることもない」という言葉は、どれほど救いになったことでしょう。
せっかく手に入れた家との決別は勇気がいるものですが、家族を守るためのポジティブな撤退が始まる重要な局面です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

