
俳優の稲垣吾郎と倉科カナが、2月6日に東京・PARCO劇場で行われた舞台「プレゼント・ラフター」開幕前会見に、演出の小山ゆうな氏と共に登壇。初日を迎える感想や稽古場でのエピソード、“老い”に対する持論などを語った。
■イギリスの劇作家によるラブコメディーを舞台化
同作は、20世紀イギリスを代表するマルチアーティストのノエル・カワードによる傑作ラブコメディーを、小山氏の演出で舞台化したもの。軽妙な会話の中に、名声や欲望、孤独や葛藤が描かれた深みある大人のラブコメディーで、タイトルにはシェイクスピア由来の「刹那的な喜び」という意味合いも含まれている。
稲垣が実力とカリスマ性を兼ね備え、誰からも好かれるスター俳優のギャリー・エッセンディーンを、倉科はギャリーを支える妻・リズを演じる。
公演初日を目前に控え、稲垣は「楽しみでとてもワクワクしています。PARCO劇場は10年ぶりに出させていただくので、新しくなってからは初めて。20代前半の頃にここでお芝居をやらせていただいて、演劇に取りつかれたというか、舞台をやっていきたいなと思うようになった、思い出も思い入れもある劇場。お客様に会えるのを楽しみにしております」と、初日前の高揚感とともに思い入れのある劇場での公演に思いをはせた。
一方、同じく建替え後の新生PARCO劇場に立つのは初めてという倉科は「今回本当にスタッフの皆さんもキャストの皆さんも素晴らしい方々ばかりで、読み合わせの期間もたくさん取って、ノエル・カワードがどういった方なのかとか勉強会をして掘り下げました。コメディーですけど、緻密に積み上げてきた作品です」と胸を張った。
また、稽古場の雰囲気について聞かれると倉科は「穏やかでしたよね。みんなが和気あいあいと、いろんなアイデアを持ち込んで、『ああでもない、こうでもない』とすごく風通しのいい現場だったなと。稲垣さん自体が穏やかでたおやかなので、稲垣さんが作ってくださった空気感なんじゃないかな」と“座長”の作った柔らかい空気感を明かし、演出の小山氏も「本当にそう思います」と同調。
すると、稲垣は「いえいえ僕は端っこで爪をかんでるだけですから」とおどけつつ、「いやいや、倉科さんこそ本当に笑顔がすてきで爽やかで。場が華やぎますよね。本当に楽しかったです」と返した。
お互いに恐縮しながらも、続けて稲垣が「穏やかで、無理もせず自然体で大人の距離感というか」と現場の空気を表現すると、倉科も「確かに、しっかり話さなきゃいけないって感じではなかったですよね。自然にいられました」と首肯した。
■現場で“MBTI”にまつわるトークも
そんな穏やかな現場では、MBTI(性格診断)の話題にもなったそうで、稲垣は「僕って何考えてるか分からないじゃないですか。それで『MBTIは何ですか?』って(倉科に)聞かれて。調べるのに時間がかかるので、家に帰って調べて。後日『僕は“擁護者(ISFJ)”だったんです』って報告したら、『あっ、そうなんですか』で終わりました(笑)。聞いておいてすぐ終わっちゃいました」と苦笑いで振り返った。
このエピソードに、倉科は大笑いしながら「実は私もあまり詳しくないので…」と話を広げられなかったことを反省しつつ、稲垣も「でも、楽しかったよね」と回想し、稽古場での楽しいひとときをうかがわせた。
そんな中、今回稲垣の演じるギャリーがスターとしての華やかさの裏で、孤独感や老いの恐れも抱くような役どころということを受けて、現在52歳の稲垣に「孤独感や老いについて感じることは?」という質問が寄せられた。
これに、稲垣は「孤独感というのはあまり感じていないですね。老いに関してはどうでしょう…でも年相応にね。年を重ねて、その年齢なりの魅力を出せるような人間になれればいいなと思ってるんですけど。あまりそういうことで恐れることっていうのはないです」とした上で、「もちろん健康に気を付けたり、ということは考えています。毎日こうやって舞台に立つので欠席もできないですし、そういった意味では健康管理はすごく意識していますね」と真摯(しんし)に思いを伝えつつ、「すっごいつまんない答えで…すみません」と、希代のスターらしく“撮れ高”にまで配慮した言葉を添えた。
舞台「プレゼント・ラフター」は、2月7日(土)~28日(土)まで東京・PARCO劇場で上演。以後、3月4日(水)~8日(日)に京都・京都劇場、3月14日(土)・15日(日)に広島・JMSアステールプラザ 大ホール、3月20日(金)~22日(日)に福岡・福岡市民ホール 中ホール、3月28日(土)・29日(日)に宮城・電力ホールにてそれぞれ上演される。
◆取材・文=月島勝利(STABLENT)

