
「上司に気を遣う飲み会は行きたくない!」「飲めないのに参加しても楽しくない」——。そんな心の声をそのまま放り込んだような創作漫画がある。ゐさん(@irk_hrk)の「復活すんな、飲み会文化」だ。投稿には1万を超えるいいねが集まり、コロナ禍を経てじわじわ戻りつつある“会社の飲み会”に対する違和感が、一気に可視化された。
■「飲みニケーション」って、結局誰のため?



歓送迎会や花見など、人が集まる機会が増える季節。お酒を介して関係を深める飲み会は、いつしか「飲みニケーション」と呼ばれるようになった。ゐさんは制作のきっかけについて、街に増えた吐瀉物やその掃除跡を見て「飲み会文化が復活してきたんだな」と感じたと語る。戻ってきたのは賑わいだけではない。違和感も一緒に、である。
■「ちょっとくらい飲めるでしょ?」が始まる夜
物語の舞台は、よくある飲み会の席だ。「鈴木ちゃん、酔ったらどうなるの?」と、すでにほろ酔いの田中が聞いてくる。鈴木は内心「聞いてどうするんだろう?」と思いつつ、「えっと、普通に具合が悪くなりますけど」と答える。すると間髪入れずに返ってくるのが、「ちょっとくらいなら飲めるでしょ?」。
無理なアルコールの強要はアルハラである。「田中さん!アルハラ!」と注意が入っても、田中は「飲んだ方が本当の自分出せて、本音で話せる」と主張してくるのだ。いや、その“本音”、こちらは聞いてない。飲まなければ本音が出せないのもどうかと思うし、聞かされる側の心は確実に削られていく。
■結論はいつも同じ。「楽しくない飲み会にお金を払いたくない」
鈴木が辟易するのは当然だ。結局、頭に残るのは「付き合いとはいえ、楽しくない飲み会にお金を払いたくない」という一点。コメント欄には「飲み会反対派」「友達とだけで行きたい派」が集まり、「飲み会は無駄な時間」「平日の飲み会は残業、休日なら休日出勤だと思わないとやってられない」といった声が並んだ。
今回の反響について、ゐさんは「まず、たくさんの方に読んでいただけてうれしいです!私は『飲み会が嫌だな』と思う方の気持ちも『あった方がいい』と思う気持ちも両方理解できます」と語る。なお、「田中さん!アルハラ!」のコマでは、実は田中が飲み物を盛大にこぼしているという小ネタが仕込まれていたという。ツッコミが入らなかったことに対し「描き込みが甘かったかな」と笑った。
セクハラ発言や説教が嫌で参加したくない人がいる一方、「普段聞けない話が聞ける」「上司の人柄がわかる」というメリットを挙げる声もある。飲み会は、必要か不要か。正解は一つではない。ただ、無理強いは違う。その境界線を、軽やかなテンポと原文セリフで突きつけてくるのが本作である。
取材協力:ゐ(@irk_hrk)
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