意識がある場合についても知りたい
編集部
「意識がある状態」の検査はどういうものですか?
渡海先生
鎮静剤を使わず、あるいはごく少量使っておこなう方法です。検査中は会話ができ、状況を自分で把握できますが、おなかやおしりの違和感や痛みを覚えやすいという違いがあります。
編集部
意識があることでのメリットは何でしょうか?
渡海先生
検査中に医師としっかりとコミュニケーションが取れる点です。「どこを見ているのか」「今どういう状態か」をきちんと知りたい人には安心感があります。また、施設によっては実際の検査中の映像をリアルタイムに見られる場合もあります。もう一つのメリットとしては、鎮静剤を使わなければ、検査後すぐに帰宅でき、車の運転や仕事にも影響が出にくいという点です。
編集部
逆にデメリットは何ですか?
渡海先生
緊張や痛みによって過度に体がこわばると、スコープの進行が難しくなり検査に時間がかかる場合があります。稀に、苦痛を強く感じやすい人や恐怖感の強い人は、検査を途中で中断せざるを得ないケースもあります。
編集部
ほかに、「意識がある状態」と「眠ったまま」の違いはありますか?
渡海先生
まず、費用の面です。「眠ったまま」の検査では、鎮静剤を使用します。そのため、検査代に鎮静剤の費用が上乗せされる形になります。医療機関や使用する薬剤の種類によっても異なりますが一般的には、保険であれば1000円未満、自費検査であれば2000〜4000円程度の施設が多いです。実際の費用に関しては事前に受診する医療機関に問い合わせることをおすすめします。また、「眠ったまま」の検査では、完全に寝てしまった場合、「検査を受けた実感がない」と不安に感じる人もいます。そのような人は「意識のある状態」あるいは、医師と相談のうえ、少量の鎮静剤を使用するのをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
渡海先生
大腸カメラの「痛み」「つらさ」に関与する要因として、「医師の技術」以外にも「鎮静剤使用の有無」が大きく関係します。実際、過去に大腸カメラで痛い思いをしてトラウマになった人でも、鎮静剤を使用して「眠ったまま」の検査を受けることで「楽だった」と満足してもらえた人が大勢います。また、「完全に寝てしまうのは不安」「つらいのは嫌だけど検査中の映像は見たい」といった人でも、鎮静剤の量の調節によりある程度のコントロールが可能です。少しでも不安なことがあれば検査前に医師にご相談ください。
編集部まとめ
大腸カメラは、大腸がんをはじめとする病気を早期発見するために欠かせない検査です。意識がある状態で受けるか、眠ったまま受けるかは、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分に合った方法を選び、安心して検査を受けることが大切です。迷った場合は、まず医師に希望や不安を伝えて相談してみましょう。
参考文献
内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)(日本消化器内視鏡学会)
消化器内視鏡楽器HP 消化器内視鏡Q&A
内視鏡検査で鎮静薬を使用することのよい点と悪い点は何ですか?【日本消化器内視鏡学会】

