ママ友一家のその後
数日後、私たちは幼稚園から、ともみさん一家が遠方に引っ越すことになったという連絡を受けました。私たちが、ともみさんと顔を合わせることは、二度とありませんでした。
息子は、仲良しの友達が突然いなくなってしまったことに、少し寂しそうな様子を見せましたが、こればかりは、どうすることもできません。
5年間、とても信頼し、助け合ってきた親友からの裏切り。そのショックは、計り知れないものでした。私の心には、大きな穴が開いたように感じました。
「金銭的に苦しいなら、正直に言ってくれれば、何か手助けができたかもしれないのに」
そう考えるたびに、胸が締め付けられます。しかし、彼女の行動は、私たちの信頼を完全に踏みにじってしまいました。夫は、私のそばで、優しくこう言ってくれました。
「悪いのはすべてともみさん。ゆりには、何の非もないよ」
「ううん…」
いや、私にも非はあるのです。他人がいる中で、大切なものを置いている場所を不用意に家を留守にしてしまったこと。油断していたのは事実です。もし私がそんなことをせずにともみさんとお付き合いしていたら、ともみさんがお金を盗むことはなかったのかもしれません。遅かれ早かれなのかもしれませんが。
人は、見かけだけでは分かりません。親友だと思っていても、その人の心の闇や、隠された事情までは、決して見抜けないものです。この経験は、私にとって、あまりにも苦いものでした。しかし、これからは、人間関係においても、また、自宅の防犯に関しても、慎重に、そして注意深く生きていこうと、心に誓ったのです。
穏やかな日常は戻ってきましたが、私の心の中には、まだ、あの日の監視カメラの映像が、焼き付いたまま残っています―――。
ママ友一家の引っ越しで、今回のできごとは幕が下りました。平穏を取り戻しましたが、ゆりの心には傷が残ってしまいました。
犯罪に手を染めるような行為は、自分自身だけではなく、家族や友人にも迷惑をかけてしまいます。窃盗は、絶対に許される行為ではありません。
また、ゆりが振り返っているように、油断もありました。改めて、被害にあわないよう防犯意識を高めることも大切ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

