
Instagramやライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」で実話をもとにしたエッセイ漫画を描くゆっぺさん。2021年には月間3000万PVを記録し、「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞した。2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」では、戦前から生きる祖母・キヨさんの実体験を漫画化。最終話のコメント欄には、500件を超える応援の声が寄せられた。
今回は、かつての経験を「まさか孫に話すことになるとは思わんかったわ(苦笑)。でも、話すことができてうれしかったです」と振り返るキヨさんに、今の気持ちを聞いた。
■「そんな親がどこにおる?」過去を信じて貰えず諦めた



結婚後、キヨさんは意地悪な養母の家を出ることができた。しかし、夫はキヨさんの過去を信じてくれなかったという。夫が「昔、自分はすごく貧乏やった」という話を何度もするため、キヨさんは「学校行くときの鞄は買ってもらえた?」と聞いた。すると返ってきたのは「当たり前さ」という言葉。その瞬間、「この人には、何を言ってもあかんな。私が経験したほどの貧乏は、わからんのやな」と思い、諦めたという。
ノートを買ってもらえなかった話をしたときには、「そんな親がどこにおる?」と言われた。その言葉が胸に刺さり、「ああ、これはもう、誰にも話せんことやな」と思った。それが、巡り巡って孫に語られる日が来るとは思ってもみなかったが、「こうして話せて、ほんまによかったです」と今は静かに笑う。
■「言い返せるようになった」それだけで、気持ちは楽になった
夫は男尊女卑の価値観が強い人だったという。それでも結婚後は、「結婚してからは、気楽になりました」とキヨさんは言う。夫は人を連れてくるのが好きで、「家でもな、旅行先でもな、ようけお客さん連れてきよったんです」。海外でもケンカになったが、「何を言われても、言い返せるようになったから」それだけで違った。腹が立つことは多かった。それでも、「子どもがな、ちゃんと私を見て育ってくれたんが、うれしかったです」。周囲の子どもたちが都会へ出ていく中で、「うちの子らは家におってくれたんです」と語る。
■「ありがとな」と言えた人生だった
息子から「みんな東京に出るけど、俺は残るよ。うれしいやろ?」と言われたことがある。そのときは、「ありがとな」と返した。
人生を振り返れば、つらいことも多かった。それでも今は、「子どもも、孫も、思いやりのある人間に育ってくれた。それだけで、よかったなあと思います」と穏やかに話す。夫を亡くしたあと、「一人で寂しいでしょ?」と聞かれることもあるが、「何にも寂しくないです(笑)」と即答する。
■「ただ、ここにいるだけで幸せです」
キヨさんの最近の楽しみは、小さな畑に毎日行くことだという。「もうあんまり動けんから、畑仕事してますなんて言うたら笑われるかもしれんけどね(笑)」と前置きしつつも、「草がちょっと生えたら、気になってしゃあないんです」と語る。だから「種ができる前に抜いとくんです。そしたら、あとが楽やから」。その考え方は、これまでの人生にも重なる。
「ただ、ここにいるだけで幸せです」。草むしりも、工芸も、「自分がやりたくてやってるから、何してても幸せなんです」。趣味の手毬は100個以上作り、ご近所に配った。「邪魔やったら、私の棺桶に一緒に入れて焼いてな(笑)」。そんな冗談が言えるのは、「幸せになったからやと思います」と、キヨさんは朗らかに語った。
取材協力:ゆっぺ
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