公園で出会った意外な救世主
「みかちゃんママ? どうしたんですか、そんなところで」
顔を上げると、みかの幼稚園の先生が立っていました。
どうやら、園の散歩中だったようで、他の先生や園児たちもいました。みかもいましたが、さいわい、みかはこちらに気付いていないようです。
一人で泣いている私を見つけて来てくれたようで、先生は、他の先生に指示を出すと、私のとなりに静かに座りました。
私はふるえる声で、すべてを打ち明けました。ゲームのこと、A子のこと、そして、夫が私との離婚を肯定的に捉え始めていること。
「先生……私、もう消えてしまいたいです。娘にも、あんな父親の姿を見せたくない」
私の言葉を最後まで聞いた先生は、おどろくほどきびしい表情で、私の手を強くにぎりました。
先生の言葉で力を取り戻した
「消えるなんて言わないでください。あなたは何もわるくない。わるいのは、家族をないがしろにしているご主人です」
先生のひとみには、強い怒りの火が灯っていました。
「みかちゃんはね、園でよく"パパ、お仕事でつかれちゃってるの"って、寂しそうに言っているんです。あんなに小さくて優しい子が、お父さんの顔色をうかがって気を遣っている…。みかちゃんママ、あなたはみかちゃんを守るために、もっと怒っていいんです。あなたが倒れたら、みかちゃんはどうなるんですか? 」
先生のまっ直ぐな怒りと共感…。それは、死にかけていた私の心に、力強いエネルギーを注ぎ込んでくれました。
(そうだ…。私はみかのためにも、夫と向き合わなくちゃいけない)
私は、先生のあたたかい手から、この現実とたたかう勇気を受け取ったのです。

