術後肛門障害の前兆や初期症状について
手術直後に、排便回数の増加や減少、残便感があらわれることがあります。多くの場合は時間とともに徐々に改善していきますが、症状や程度、改善までの期間には個人差があります。
排便回数の増加は、特にS状結腸がんや直腸がんの手術後に起こりやすいです。手術前は1日1〜2回だった排便が、術後は5〜6回、多い場合には10回以上になることもあります。また、少量ずつしか排便できなくなることもあります。
また、残便感によってトイレで排便した後も便が残っている感覚が生じたり、肛門括約筋の低下により低下により便意のコントロールが困難となり、予期せぬ場面でガスや液状の便が漏れてしまったりすることがあります。
術後肛門障害の検査・診断
術後肛門障害の診断は、問診・視診によって症状を確認することから始まり、必要に応じて肛門の機能を調べる検査を行います。検査結果に基づいて、治療方針を決めていきます。
問診・視診
問診では、排便の回数や状態、便漏れの有無、日常生活への影響などを詳しく聞きます。症状の程度を客観的に評価するために専用の質問票を使うこともあります。
視診では、肛門周囲の皮膚の状態、発赤、腫脹、手術の傷跡、組織の変形を確認します。肛門括約筋の機能を評価するため、安静時と収縮時の肛門の状態を観察し、患者に力んでもらうことで排便時の状態も確認します。
肛門機能検査
必要に応じて肛門の機能を調べる検査を行います。肛門に細い管を挿入して圧力を測る検査や、直腸の感覚を調べる検査などがあります。これらの検査で排便を抑える筋肉の力や、直腸の状態を評価します。
画像検査
直腸の形や機能を調べるために画像検査を行うこともあります。CT検査やMRI検査の検査結果をもとに、障害の原因や程度を詳しく評価し、適切な治療法を決めていきます。

