術後精神病の治療
術後精神病の治療では、まずは術後の全身状態が軽快することが重要です。それに加えて、精神的な負担となる刺激を取り除き、安心感を得られるよう配慮したケアがおこなわれます。
手術を受け、普段と異なる環境で治療を受けたり長時間過ごしたりすることは精神的な負担になり、せん妄や幻覚などを招く原因になることがあります。そのため、医師や看護師は発症者にとって負担となるものを極力取り除き、安心感が得られるよう配慮してケアをおこないます。
例えば、手を握って話すなどのスキンシップを図る、見当識を正常に保てるようその時の日付や時間などを伝えたる、などの工夫がおこなわれます。また、患者さんのベッド周辺の環境を変える、可能なら屋外へ連れ出して気分転換を図るといった対応をする例もあります。このようなケアをおこなっても症状が改善しない場合には、必要に応じて薬物療法をおこなうこともあります。薬物療法では、生活リズムを安定させるためや様々な精神症状に対処するために、睡眠薬や抗精神病薬などが用いられます。
向精神薬を用いることによる副作用の出現もあり得るため、その使用か必要最低限の用量、期間で行われます。
術後精神病になりやすい人・予防の方法
術後精神病は外科的手術をきっかけに誰にでも発症する可能性があります。
特に発症リスクが高いとされるのは、高齢者です。
また大がかりな手術や、ICUに入室するような重篤な疾患の手術では、さらに発症リスクが高いと考えられています。
術後精神病を予防するには、術前に手術や入院に対する不安を軽減することが、発症予防に繋がる可能性があります。
また、昼夜のメリハリをつけ、睡眠と覚醒のリズムを整えることも発症予防につながります。術前に不眠状態が続くと、術後精神病の発症に繋がることがあります。そのような場合、術後に十分な睡眠をとることで軽快する事例もあると報告されています。
術後は主治医の指示のもと早期から離床し、リハビリテーションや散歩をおこなうことも有効です。
関連する病気
術後精神障害
術後せん妄
せん妄
ICU症候群
参考文献
黒澤尚著「第17回日本臨床麻酔学会総会術後精神障害の考え方」
会沢健一郎他「術後精神障害の背景因子の検討」
公益財団法人長寿科学進行財団健康長寿ネット「術後せん妄」
秋田昌利他「手術後の精神障害について-消化器手術例を中心として-」

