わかり合えない
焦った私は慌てて電話をかけました。電話に出た彼に、怒っている様子はなくて……。むしろ不安や寂しさから今日のようなメールを送ってしまったことに落ち込んでいるようでした。彼の思いに気がつけなかった私も悪いと思い、彼を責めることはしませんでした。
しかし……。この出来事を忘れかけていた実習の最終日前日のことです。その日も以前と同じように帰りが遅くなってしまい、私は不安な気持ちで携帯を開きました。そこには……「こんなに遅いなんて浮気だろ! 」「実習で忙しいなんて嘘だ」というメッセージのほかに、彼から数十件の不在着信が……。
結局、このときも彼に連絡をすると、彼は自分の行動を謝ってくれ、私に直接怒りをぶつけてくることはありませんでした。
素直に反省の言葉を口にする彼のことを、当時の私は許してしまっていました、けれど、彼と別れかなりの年月が経った今、それで本当によかったのかと今でもふと考えることがあります。この出来事は、恋愛において互いの生活を理解し合うことの大切さをを学ぶ、ひとつの大切な経験となりました。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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