聡子は、1歳の娘・りんの育児に奮闘中。向かいに住む、自治会長の美代子は、当初は親切な隣人だったが、次第に過干渉な本性を現す。ある日、外出を阻まれ、30分も説教をされた聡子は…。
「親切なお向かいさん」だと思っていた
こんにちは、聡子です。
31歳の専業主婦で、1歳の娘・りんの育児に奮闘する毎日を送っています。夫の信也と、このアパートで暮らし始めて3年。
日当たりのいい、この部屋を気に入っていたはずなのに、最近、玄関のドアを開けるのが少しこわくなってしまいました。
原因は、道路をはさんで、向かいの一軒家に住む、通称「お向かいさん」の美代子さん。60代後半の彼女は、この地域の自治会長も務める、面倒見のいい方……のはずでした。
少しずつ距離感がおかしくなる
でも、りんが生まれてからというもの、その「面倒見」が、少しずつ、「過干渉」へと変貌していったのです。
「あら、聡子さん!りんちゃ〜ん、今日もお肌がツヤツヤねぇ。おばちゃんが抱っこしてあげようか?」
ベランダで洗濯物を干しているだけで、美代子さんは窓を開けて声をかけてきます。
最初は、「娘をかわいがってくれる親切な人」だと思っていました。でも、次第に距離感がおかしくなりはじめたのです。
ある日、児童館へ行こうと準備をしていた時のこと。
「ピンポーン!」
インターホンがなるのと同時に、玄関のドアをたたく音が響きました。
「聡子さあん、いるんでしょ?りんちゃんの泣き声が聞こえたから、寂しがってると思って!」
あわててドアを開けると、そこには満面の笑みの美代子さん。

