「ただの疲れ」ではなく『カリウム不足』のサインかも… ひそむ不整脈のリスク

「ただの疲れ」ではなく『カリウム不足』のサインかも… ひそむ不整脈のリスク

カリウムが体内で不足すると、神経の伝達や筋肉の動きに関わる重要な機能が損なわれ、初期には軽い疲労感やだるさとして現れます。さらに不足が続くと、筋力の低下や不整脈など、日常生活に支障をきたす深刻な症状につながる可能性があります。本章では、カリウム不足によって引き起こされる具体的な症状と、身体にどのような影響が現れるのかを詳しく解説します。

武井 香七

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)

帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

カリウム不足が引き起こす症状と身体への影響

カリウムが不足すると、神経伝達や筋肉の収縮に関わる重要な機能が損なわれ、さまざまな症状が現れます。初期には軽い疲労感やだるさを感じる程度ですが、不足が続くと深刻な健康問題につながる可能性があります。

筋力低下と疲労感の出現

カリウムは細胞内外のイオンバランスを調整し、筋肉の収縮を円滑にする役割を担っています。血液中のカリウム濃度が低下すると、筋肉細胞が正常に電気信号を受け取れなくなり、筋力の低下や疲労感を自覚しやすくなります。とくに下肢の筋肉に力が入りにくくなったり、階段の昇降が以前よりつらく感じたりする場合は、カリウム不足を疑う一つのサインといえます。
日常生活では、立ち上がる動作が重く感じられたり、長時間の歩行後に通常以上の疲れが残ったりすることがあります。こうした症状は加齢や運動不足と混同されやすいものの、食事内容を見直してカリウム摂取量を増やすことで改善が期待できるケースも少なくありません。症状が続く場合は、血液検査で血清カリウム値を測定し、客観的なデータをもとに適切な対応を検討することが重要です。

不整脈と循環器系へのリスク

カリウムは心臓の電気的な興奮をコントロールする重要なミネラルであり、不足すると不整脈を引き起こすリスクが高まります。心筋細胞が正常なリズムで収縮できなくなると、脈が乱れたり、動悸を感じたりする症状が現れます。重度の低カリウム血症では、心室細動など生命を脅かす不整脈に至る可能性もあり、とくに心疾患の既往がある方や利尿薬を服用中の方は注意が必要です。
循環器系への影響は心臓だけにとどまらず、血管の収縮・拡張機能にも影響を与えます。カリウム不足により血管が過度に収縮しやすくなると、血圧の上昇を招くことがあります。高血圧と低カリウム血症が同時に存在する場合、心血管疾患のリスクはさらに高まる可能性があるため、定期的な血液検査と食事管理が欠かせません。症状が軽微であっても、動悸や胸の違和感を自覚したときは速やかに循環器内科を受診し、専門的な評価を受けることが重要です。

まとめ

カリウムは体液バランスの維持や神経・筋肉の正常な働きに欠かせないミネラルであり、日常の食事から自然に摂取することができます。不足すると筋力低下や不整脈などの症状が現れ、過剰摂取は高カリウム血症のリスクを高めるため、適切な量を意識することが重要です。マグネシウムやビタミンB6との組み合わせで効果を高める一方、カリウム保持性利尿薬や塩分代替品との併用には注意が必要です。野菜、果物、魚介類、海藻類など、カリウムを豊富に含む食材を日々の献立に取り入れ、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。症状や健康状態に不安がある場合は、内科や腎臓内科を受診し、専門的なアドバイスを受けることが推奨されます。

参考文献

厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2025年版)

成人 CKD 患者への栄養管理

文部科学省・日本食品標準成分表2020年版(八訂)

日本高血圧学会・高血圧治療ガイドライン2019

国立循環器病研究センター・循環器病情報サービス

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。