注意が必要な頭痛とは

頭痛が強くてつらいのは重症化の可能性がありますか?
インフルエンザに伴う頭痛は、発熱や全身の炎症により強く感じることがありますが、時間の経過とともに和らぐことが多いです。一方で、これまで経験したことのない強い痛みが続く場合や、日ごとに悪化していく場合には、通常の経過とは異なる可能性を考えます。頭痛に加えて、意識がぼんやりする、受け答えがはっきりしない、繰り返し吐くといった症状がみられる場合は、重症化を想定した評価が必要です。
インフルエンザ脳症ではどのような症状が出ますか?
インフルエンザ脳症は、強い頭痛に加えて、元気がなくなる、呼びかけへの反応が鈍くなる、受け答えがかみ合わなくなるなど意識や判断力の変化がみられます。普段はできている受け答えや行動がうまくできなくなるなど日常の様子と比べて明らかな違いがみられることが、気付きの手がかりになります。
また、けいれんや異常な興奮が起こることがあり、意識がはっきりしない状態が続く場合もあります。これらの症状は短い時間のなかで進行することがあり、症状の出方が急に変わる点も特徴です。発熱の高さとは関係なく現れるため、熱がそれほど高くない場合でも油断はできません。特に小児は、いつもと違う様子がないかを意識して観察するようにしましょう。
インフルエンザ脳症について教えてください
インフルエンザ脳症は、主に小児でみられる合併症で、ウイルスそのものよりも、免疫反応に伴う炎症物質が脳に影響することで発症します。発症は急激で、短時間のうちに状態が変化することがあります。初期には頭痛や嘔吐、活気の低下といった症状がみられ、その後に意識障害やけいれんへ進むことがあります。早い段階で医療機関につながることが、経過を左右します。
救急を受診したほうがよいタイミングを教えてください
会話がかみ合わない、呼びかけへの反応が弱い、急にぼんやりして受け答えが遅くなる、けいれんが起こるなど普段の様子と明らかに異なる変化がみられる場合は、救急受診を考えます。これらは、頭痛の強さそのものよりも、意識や行動に変化が生じている点が重要な判断材料です。また、強い頭痛に加えて繰り返す嘔吐が続く場合や、水分をほとんど取れず横になったまま起き上がれない状態が続く場合も病院を受診しましょう。時間の経過とともに症状が悪化していると感じるときや普段と違う変化が重なっている場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。
編集部まとめ

インフルエンザによる頭痛は、発熱そのものよりも、ウイルスに対する免疫反応によって生じる炎症が関係しています。サイトカインと呼ばれる物質が脳や神経に影響することで、頭全体が重く感じたり、強い痛みが続いたりします。そのため、頭痛が強く出ること自体は、インフルエンザの経過のなかで珍しいことではありません。
多くの場合頭痛だけであれば、時間の経過とともに和らぎ回復に向かいます。一方で、頭痛に加えて意識の変化や受け答えの異常、繰り返す嘔吐、けいれんなどがみられる場合には、通常の経過とは異なる可能性を考えます。特に小児は、インフルエンザ脳症などの合併症がまれに起こるため、普段と違う様子がないかを観察することが重要です。痛みの強さだけで判断せず、症状の組み合わせや変化を見極めながら、適切なタイミングで医療機関へ相談することが大切です。
参考文献
『Mechanisms of Symptoms of Common Cold and Flu』(Common Cold)
『インフルエンザ脳症ガイドライン』(厚生労働省 インフルエンザ脳症研究班)
『インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?』(日本小児神経学会)

