風邪かと思ったら「HIV感染症の初期症状」? ”無症候期でも発見できるコツ”とは【医師監修】

風邪かと思ったら「HIV感染症の初期症状」? ”無症候期でも発見できるコツ”とは【医師監修】

HIV感染症は感染後の時間経過とともにいくつかの段階を経て進行し、それぞれの時期で異なる症状や身体の変化が見られます。感染初期には風邪に似た急性症状が現れることがありますが、その後は無症状の期間が続くため、感染に気づかないケースも少なくありません。早期発見のためには、各段階で起こりうる症状や身体の変化について正しく理解しておくことが大切です。ここでは、感染初期から無症候期までの経過について詳しく解説します。

吉野 友祐

監修医師:
吉野 友祐(医師)

広島大学医学部卒業。現在は帝京大学医学部附属病院感染症内科所属。専門は内科・感染症。日本感染症学会感染症専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医。帝京大学医学部微生物学講座教授。

HIV感染症の初期症状と進行段階

HIV感染症は感染後の経過に応じていくつかの段階に分けられ、感染初期から発症までには個人差が大きく見られます。症状が現れる時期や程度も人によって異なるため、感染後に見られる初期症状とその後の進行段階を理解しておくことが大切です。

感染初期に現れる急性症状

HIVに感染すると、感染してから2週間〜4週間ほど経った頃、急性HIV感染症と呼ばれる初期症状が現れることがあります。この時期は体内でウイルスが急速に増殖し、免疫システムが反応を示す段階です。主な症状としては、発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、筋肉痛、関節痛、頭痛、倦怠感、発疹などが挙げられます。
これらの症状は風邪やインフルエンザに似ているため、HIV感染を疑わずに見過ごされることも少なくありません。症状の程度は人によって異なり、まったく症状が現れない方もいます。急性期の症状は、通常数日から数週間は数日で自然に消えますが、ウイルスがいなくなったわけではありません。むしろこの時期はウイルス量が非常に多く、他の方へ感染させるリスクが高い状態です。

無症候期における身体の変化

急性期の症状が治まった後、多くの場合は無症候期と呼ばれる段階に入ります。この時期は数年から10年以上続くこともあり、目立った症状がないまま経過するため、感染に気づかないケースも見られます。しかし、体内ではウイルスが持続的に増殖し、免疫を担うCD4陽性細胞(以下、CD4)が徐々に破壊されています。
無症候期であっても、血液検査を行えばウイルスの存在やCD4の減少を確認できます。この段階で感染を発見し治療を開始することが、その後の健康状態を左右する重要なポイントとなります。定期的な検査を受けることで、症状が現れる前に感染を把握し、適切な時期に治療を始められる可能性が高まります。

まとめ

HIV感染症は、早期発見と適切な治療により、通常の生活を送ることが可能な疾患です。感染経路を理解し、コンドームの使用や定期的な検査といった予防策を講じることで、感染リスクを大きく低減できます。感染の可能性がある場合には、早期に検査を受け、必要に応じて速やかに治療を開始することが重要です。
現在の医療では、継続的な服薬によりウイルスを抑制し、免疫機能を維持することができます。正しい知識を持ち、不安がある場合には医療機関や保健所に相談することで、健康を守る第一歩を踏み出しましょう。HIV感染症に関する理解を深め、偏見や差別のない社会づくりに貢献していくことも大切です。

参考文献

厚生労働省「HIVとエイズ」

国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター
公益財団法人 エイズ予防財団
配信元: Medical DOC

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