セロトニンが不足する原因

現代人の生活スタイルには、セロトニン系のバランスを乱しやすい要素がいくつもあります。
日光不足とリズムの乱れ
日照や生活リズムは、脳内のセロトニン機能や体内時計に影響する可能性が示されています。外に出る時間が少ない、昼夜逆転などが続くと、睡眠や気分の不調につながることがあります。
リズム運動の不足
ウォーキングなどのリズム運動は、気分や睡眠の改善に役立つことが多く、セロトニン系とも関連が指摘されています。忙しさで動く時間が減ると、不調が長引きやすくなります。
栄養不足(トリプトファン不足)
セロトニン合成には必須アミノ酸のトリプトファンが必要で、体内で作れないため食事から摂取します。極端なダイエットや偏食でタンパク質が不足すると、材料不足になり得ます。
慢性的なストレス
慢性ストレスは睡眠、食行動、活動量、ホルモンバランスなどを乱し、結果として気分や不安、痛みの感じ方にも影響します。
セロトニンが生まれつき少ない原因

遺伝的要因(セロトニントランスポーター遺伝子)
セロトニンの量を調節する「セロトニントランスポーター」というタンパク質の遺伝子には主に2種類のタイプがあります。「L型(Long型)」と「S型(Short型)」です。日本人には「S型」の人が多く、この「S型」を持つと、セロトニンの再利用効率が低く不安を感じやすく、うつ病にもかかりやすいとされ、かつて大きな話題となりました。
しかし、近年の大規模な研究では、強い相互作用があるとは言い切れないとする報告もあり、結論は一様ではありません。
性差(脳内合成能の違い)
脳科学の研究(PET検査を用いた研究など)によると、男性に比べて女性は脳内でのセロトニン合成能力(作るスピード)が低い傾向があることが示されています(男性の方が約52%高いという報告もあります)。そのため、女性はホルモンバランスの変化(月経、出産、更年期)と合わさって、セロトニン不足による不調を感じやすい傾向にあります。
幼少期のストレス(エピジェネティクス)
生まれ持った遺伝子だけでなく、育った環境も影響します。幼少期に強いストレスや愛情不足などの環境に置かれると、遺伝子のスイッチの入り方(エピジェネティクス)が変化し、大人になってからストレスに対して敏感になったり、セロトニン機能が低下しやすくなったりすることが研究で示唆されています。

