ママ友・綾の家で遊ぶことになった、るい。しかし、道中でランチの話になり、綾の「ある提案」に、るいのモヤモヤは加速して…。
「手ぶらで行く!」と決めて家を出た
ある週末、綾さんの家で子どもたちを遊ばせることになりました。
私は、キッチンで翌日の準備をしながら、心の中で一つの決意を固めていました。
(今日は何も持っていかない。綾さんと同じように、手ぶらで行ってみよう)
それは、彼女に対する小さな復讐というよりは、自分自身の心を守るための防衛策でした。いつも自分だけが気をつかい、お金をつかい、結果としてモヤモヤを抱える…。そんなループから、抜け出したかったのです。
当日、私は娘の手を引き、約束の時間に合わせて家を出ました。
手ぶらで歩く背徳感と、どこか晴れやかな気持ちが入り混じります。しかし、綾さんのマンションまで、あと数分というところで、ポケットのスマホがふるえました。あやさんからの電話でした。
「もしもし、るいさんー?今どのあたり?今日のお昼なんだけど、何食べたいかなと思って」
「買ってきてくれない?」にいやな予感
私は少しまよいながらも、最近、話題になっていた、近所のカレー屋さんの名前をあげました。
「あそこのカレー、デリバリー始めたみたいだよ。子ども用の甘口もあるし、どうかな?」
すると、あやさんは間髪入れずに、こう返してきました。
「あ、いいよね〜そこ!でもさ、出前って配送料とか手数料とか、かかるじゃない?もったいないし…るいさんたちがお店の前をとおるなら、買ってきてくれないかなあ。好きなの選んでいいからさ!」
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられました。
「手数料がもったいない」…それは一見、もっともな意見に聞こえます。しかし、それを、「今まさに、こちらに向かっている友人」に要求し、しかも、代金の支払いについては、一切、触れない…。その無神経さに、私は言葉をうしないました。

