22歳の春。再会と裏切り
大学も卒業間近の頃。母から久しぶりに、「社会人になるお祝いをしたい」と連絡がありました。約4年ぶりの再会。ぎこちなさはありましたが、形だけでも節目を祝ってくれるのかと思い、会うことにしました。
しかし食事の席でお手洗いに席を立った隙に、母が私の身分証をスマホで撮影していたようなのです。その時はそれに気づかず……そのまま別れました。
身に覚えのないメールで知った現実
数か月後、私のメールアドレスに届いたのは聞いたこともない金融会社からの督促文。内容は私が“300万円を借りている”というものでした。最初は誤解だと思いましたが、提出されていた身分証のコピーは、なぜか私のもの。頭には母の仕業ではないかという不安が一瞬にしてよぎり、背筋が冷たくなりました。母は違法な金融業者から、私の名義で借金をしていたのです。
信じたくない事実を目の前に、「やはり自分の身は自分で守らなければ」と心の底から実感した瞬間でした。

